桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

仲間の死

2019-01-20 | Weblog
俺には、全国に冤罪仲間がいる。冤罪の中味は様々だし、その体験を背負って生きている日常も様々だが、みんなが重荷に負けないで頑張っている。
浜松と言えば袴田巌さんの冤罪で有名だが、河合さんという仲間もいた。いたと過去形で書くのは、今日、亡くなったことを知ったからだ。
一緒に住む女性の連れ子を殺害したとされた冤罪で、真実は女性が殺したものを河合さんの犯行とされてしまった。
母親がやるはずはない、絶対に他人である男だ!
警察の考えることだよね。
秋田、大仙市事件も同じような冤罪だが、河合さんは、その女とのあれこれに絶望して自殺を図ったが蘇生した。
あれから何年だろうか。
冤罪犠牲者の会の件で連絡しても通じない。年賀状も戻った。どうしたのかと、河合さんの再審請求を支援している弁護士に連絡したところ、自殺したと知らされた。
可哀想に!
結局、冤罪に翻弄されて人生に幕が引かれたことになる。
こうした仲間を知ると、身体の中に寒々しい空気が流れる思いになるなぁ。
どんな思いで逝ったのかと考えると、ただただ辛い思いになるよ。
全国の仲間、負けるなよ、きっといい日が来るから一緒に頑張ろう!