桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

慣れる

2019-01-04 | Weblog
連れ合いの実家の朝は、大体、零下6度くらいだが、今朝は余り寒くないなぁと話した昨日も、やはりマイナス6度だった。
慣れるんだよね。
毎日、それが当たり前だった刑務所暮らしも、やはり慣れがある。朝の裸検身(昔は素っ裸だったが、今はパンツは着用)、俺は気違い行進と言っていた軍隊式行進、起きてから寝るまで、いや寝てもある義務(布団から首を出せなど)の数々。人に指示されるのが大嫌いな俺なのに、良く耐えたと思うが、あれも慣れだったろう。
しかし、慣れても流されてはいなかった。総てを指示されるが、俺は、それの強制を自分の意思で行うものだと転化して自分に課した。
久しぶりに零下6度から刑務所生活を思い出したよ。