桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

玉名市

2014-11-23 | Weblog


昨日は玉名市に来た。
ここにはシュバイツァー寺がある。あの著名なシュバイツァーから得た寺名だが、古川泰龍さんと言うお坊さんが刑務所の教戒師をなさっていて無実の死刑囚、西武雄さんと出会い、生涯を救済に捧げられた奇特な方の作った寺だ。
古川さんは福岡事件と呼ばれる戦後の冤罪事件を救済するため、保護司を辞めさせれても怯まずに私財を擲って活動された。赤貧洗うがごとしと言う言葉があるが、家族も一緒に托鉢して歩きながら福岡事件の再審を求めた活動は貧窮したものだったと言う。
古川さんは願い叶わずに他界されたが、あとを就いて家族が「生命山シュバイツァー寺」を護り、今も福岡事件の再審を求められる姿は胸打たれるし、感動するし、同じ冤罪者として感謝で一杯になる。
昨日は、九州の地で再審事件を抱える弁護士さん、学者が集まり、いかに再審があるべきかを諸外国の例も含めて学んだ。
その熱い議論はシュバイツァー寺に相応しく、敬服するものだった。
夜は、古川さんご家族の手作り食事。これが美味かったなあ。酒も美味くて、最後は、東京から参加の佐藤博史先生を含め、菅家さんの大好きなカラオケで盛り上がった。
古川さんご家族は結婚もされずに寺を護り、総てを福岡事件に捧げているのだから、本当に尊い方だ。
写真はシュバイツァー寺と古川泰龍師と古川師が托鉢に使用した傘。