桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

中学校

2012-02-08 | Weblog
今まで、沢山の学校で布川事件の話をしたが、大体が大学で、高校となると、かなり少なくなって、中学校となれば、もう数えるほどだ。
今日は、その中学校での話だった。
学校に着くと、出会う生徒が、皆「こんにちわ!」と明るく挨拶する。これだけで学校の雰囲気が判ったが、校長先生に伺うと、「大人しい子供ばかり」だそうだ。
中学3年生は120名弱で、全員に社会科の授業として、布川事件と冤罪の話をした。
初めに「布川事件の40年」と言う傑作ビデオを見て貰い、それから話した。
俺なりに人生観を込めて、子供たちにも判り易いように話したつもりだが、眠そうにしていた子もいたが、本当に一生懸命にきいてくれ、嬉しくて楽しかった。
失敗して良いのが人生で、失敗した方が楽しい、一生懸命にやるべき時にやり、一途に頑張れば道は開く、そんな俺の思いが、一人でも良いから心に残してくれて、何かの時の力になることがあれば嬉しいのだが。
子供たちの真っ直ぐな心に向き合って、実に幸せな時間を味わってきた。

朱音

2012-02-08 | Weblog
俺がアカネに会ったのは、俺たちの結婚祝う会だった。まだ満足にお喋りの出来ないころで、3歳になる前だったろうか。
あれから13年が過ぎて、今は中学3年生、15歳になった。余り勉強は好きでないと公言し、「数学の方程式が、桜井オジちゃんの人生に必要だったか?」と聞かれた。まあ数学の方程式は必要でなかったと思うことを言ったらば「だから数学は勉強しない!」と言う。生きて行く基礎として必要だし、勉強すべき時期に一生懸命にやった!と言得ることは必要だから頑張れ、と言ったが、参った。
でも、本当に純真で、どんな大人になるのかが楽しみな娘だが、そのアカネの言葉があって、アカネの中学校で布川事件の話をすることになった。どんなことになるか、楽しみと喜びで行った今日だった。

水戸少年刑務所

2012-02-08 | Weblog
俺が水戸少年刑務所に入ったのは、何年前だったろうか。水戸地裁で行われる早瀬四郎の証人尋問に立ち会うために行ったときだ。1985年ころのことだから、もう27年前だ。
昨日、その水戸少年刑務所へ行った。新しい家で使う家具を注文するために、作業課へ行ったが、もう新しい建物になっていたせいか、特別の感慨はなかった。きっと千葉刑務所ならば、こうでないだろうにと思いながら、刑務所の職員と話をしていて思った。千葉刑務所は故郷、水戸少年刑務所は、一つの思い出の場所。