桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

救援会渋谷支部

2012-02-10 | Weblog
俺は救援会に出会って人生が変わった。何の見返りも求めずに冤罪や弾圧事件で闘う人を支援する人々に会って、その人間としての誠と真実こそが人生の宝なのだと教えられた。
仮釈放で社会に帰り、沢山の救援会に支援をして頂いたが、不思議とお付き合いに濃淡が生まれた。どこが疎遠とは言わないが、救援会渋谷支部は、非常に熱い支援を頂いた。
今日は勝利を確定させての参加で、改めて長い支援の有り難さを思うとともに、この恩を返せる生き方をしたいと思った。

取材

2012-02-10 | Weblog
久しぶりに新聞社からの取材を受けた。
近いうちに決定があるだろう名張事件に付いて、地元中日新聞のこども新聞を担当している記者だった。
先日、中学校へ行って社会科の教本に冤罪が載っているのを知って感動したが、こども新聞でも冤罪を取り上げる時代になったのかと、本当に嬉しい気持ちになった。
俺なりに判り易く話をしたつもりだが、記者の話を聞いても冤罪を作り上げる問題を認識しているので、きっと子供にも判る記事になることだろう。
この時代の流れを認識出来ないのは検察だけで、今に抗する手段がなくなって慌てることだろう。そのときが1日も早く来るように、俺も頑張らなくては!

初原告

2012-02-10 | Weblog
今日は、初めて原告席に座った。
徳島刑務所に受刑中の星野文昭さんは学生運動の活動家として警官殺しの犯人にでっち上げられた。証拠を見ていけば、星野さんの無実は明らかだが、そこが裁判。無実の証拠は無視されて有罪に都合の良い言葉だけを集めて有罪になっている。
俺と同じ年齢の星野さんは、今も思想的に若き思いを抱いていて、ある意味、思想的シンボルになっているし、彼自身がシンボルとしての活動家でいる。
そのせいで刑務所に逆らうヤツ、国家に反逆するヤツと思われ、刑務所当局から敵視されて過剰な監視と処遇をされていて、面会や手紙の自由を制限されているのだ。
俺は思想的には、星野さんの反対側かも知れないが、星野さんの思想的行動ゆえに、彼の人間的な自由が制限されてはならないと思っている。刑務所当局に気に食わないことをしたからと、次々と自由制限が拡大され兼ねないからだ。
今日は、その星野文昭さんに対する徳島刑務所の面会制限などの不当を訴えた国賠裁判だった。
初めて原告席に座ったが、気持ち良かった。
原告の陳述を「後は書面で」と裁判長が止めたことで傍聴席が騒ぎ始め、ワイワイなった。
俺が、「冷静にやりましょう」なんて傍聴席を宥めたり、裁判長に「前の民事ではお金の話なのに、長々とやっていたではないですか。こっちは人権の話なんです。話を聞けないって、おかしくありませんか」と反論し、みんなであぁだ、こうだやったので、「こんな時間を使っているならば、許可すれば、もう終わっている話じゃないですか」と言ったらば、やっと「それでは」となって陳述が許されたが、このやり取りが面白かった。
終わった後、 皆さんに「喧嘩じゃないし、裁判官を説得するのだから間違わないで」と言った。
次回が楽しみだが、どうなるかねぇ。

学習会

2012-02-10 | Weblog
昨日は東松山市で狭山事件を支える住民の会による「証拠開示を求める集会」だった。
参加者は80名くらいだったろうか。何時も感じるが、一般参加と言うよりも組合の動員として来ている人が多く感じた。
俺の話は、どこで話しても同じだが、話を終えた後の質問は、やはりこういう場所が1番少なくて活気がなかった。
狭山弁護団からの状況説明もあったが、順調に進展しているので、このまま再審開始まで進んで欲しいと思ったし、冤罪仲間として力になりたいと思いながら帰って来た。
集会後、支える会の副会長の弁護士さんが持って来られた酒が抜群に美味かった!60度の泡盛も風味が良くて、なかなかの味だった。まだまだ知らない酒が多くあると知った夜でもあった。