桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

坂本龍馬

2012-02-16 | Weblog
日本には坂本龍馬好きが多い。明治維新の力になりながら暗殺されてしまった悲劇の結末もあり、今でも信奉者があるほどの人気を誇っている。
大阪に生まれた「維新の会」は、その坂本龍馬をイメージした名前だろうが、更に坂本龍馬の維新政策を示す「船中八策」なる言葉を真似て「橋下改革案」を示すに至っては、これは坂本龍馬擬きが明らかだ。
橋下人気を煽るマスコミを見ていると、あの小泉純一郎人気を煽った姿に重なって見えるが、残念ながらマスコミは橋下の行っている政治の本質を正しく報道していない。
確かに橋下徹は、今の無為無策に見える政治体制を変えようとしている。政治の無能に絶望した国民が橋下に期待する気持ちも判るが、問題は、橋下改革が、どんな日本を作ろうとしているかだ。
あの小泉純一郎人気で成された政治は、一体、誰の利益を生み出したのかは、今や明らかだ。契約社員や派遣社員を増やし、満足に若者が生きて行けない社会を作ったではないか。社会を支える圧倒的多数の労働者が経済的に困窮する「金持ち有利社会」を作ったのだ。
今、橋下徹が作ろうとする社会が、果たして99%の存在たる労働者たちに生き易い社会なのか、マスコミの報道しない本質を見極める必要がある。もし、若者たちが自分の苦しみを解放してくれ、夢と希望のある社会体制を作る政治家として橋下徹に期待するならば、必ず裏切られるだろう。