桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

野田内閣

2011-08-31 | Weblog
また新しい内閣が生まれた。どうせ民主党友人など、自民党とやることは同じだ。多少、目先は変わり、どんな政治になるかと、ときめく思いを味わっただけ増しとは言えるが、国民の命と暮らしを守る気概がない。
その顔ぶれを見れば、転び自民党に、逃れ自民党などばかりなのだから、今の体たらくも当然かも知れない。期待した方が馬鹿だったのだ。
野田内閣、初めから期待されてないだけ、意外と続くかも知れないが、この人は史観が歪んでるのが最大の欠点だな。
A級戦犯は犯罪者ではない。勝った相手が犯罪者呼ばわりしている云々も、まあ言葉のレトリックとしてはあり得る主張かも知れないが、戦犯者になった人たちが殺したのは、我が日本の国民だけではない。アジア諸国の民を、幾ら殺したのだ。その視点を欠いては、如何に民主党が好きと同じに戦犯が好きでも、世界の賛同は得られまい。
この野田さんも松下政経塾出身だそうだが、松下政経塾出身はろくな史観を持った人がいないのは、なぜなんだろうか。どんな勉強をしたのか知らないが、親方松下で政治をやろうなんて思考そのものが、歪んだ思考を育てるのかも知れないね。
駅前演説の野田さん、果たして期待に応えて、アッサリと倒れ果てるか、それとも期待を裏切ってやるのか、楽しみだねぇ。

刑事補償金

2011-08-31 | Weblog
冤罪者には、国の責任として補償金が支払われる。
我々のような再審無罪判決を受けた者は、判決を受けた日から半年以内に請求し、裁判所の判断によって支払われる。
その金額は、 拘束された日数×1日最高1万2千5百円だが、どの程度を認めるかは裁判所の判断次第となる。
一昨日、布川事件も裁判所に刑事補償金を請求したが、何社かから取材の電話があった。「桜井さんとしては最高額が当然ですか」「桜井さんにとって刑事補償金は、どんな意味がありますか」など。
俺は金がない。運良く社長になった杉山とは違い、本当に活動する中で金に苦しんだ。だから、金は欲しい。が、だから刑事補償金は助かるし、長く冤罪を背負わされて当然の償いだとも思うが、その金額などに意味は感じていない。
金で償えることなど、ありはしないだろう。
それより思うのは、この刑事補償金によって、きっと俺の身辺に余計な煩いが増えるだろうということだ。何もない俺だからこそ、晴れ晴れしく、気ままにやれた。手元に残る金額が数えられそうな金なのに、そんな金で自分でなくなるとしたらば、嫌なことだよね。何があっても百%良いことはないのが人生だけど、せめて俺は俺らしく生きて行きたいものだ。

鹿児島の夜

2011-08-31 | Weblog
集会後、 原口アヤ子さんを囲んだしゃぶしゃぶの懇親会だった。
弁護団が9名、我々5名と支援者2名と原口さん。
さすがに鹿児島で黒豚肉が美味かった。
食べた後は、もちろんカラオケ!
カラオケと言えば菅家さんだが、昨夜は、ライバルの柳原さんはいるし、独りで唄うことを許さない弁護士さんもいて、なかなかだった。中で1番は、今度の再審請求も含めて大崎弁護団を支える鴨志田弁護士の美声だった。艶、張りのある声と確かな歌唱力。久しぶりに上手い!と言える歌を聴いた夜だった。
その後、更に夜は続い多用だが、俺は10時半にはホテルに戻った。
大崎事件の新しい闘いの始まった1日だったが、必ず勝利の日が来る確信を得た1日でもあった。