桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

2011-03-16 | Weblog
今日は判決日の予定だった。長い月日の闘いに決着をつける日だったが、今度の大地震で幻となった。
俺の千葉刑務所での番号は163番。称呼番号(しょうこばんごう)と言われ、本人確認の手段なのだが、163ばん!と、長く答え続けたせいで、その番号には愛着がある。
今日は3月16日、並びは違うが、俺の愛着ある数字が入り、闘いの決着する日に相応しいと思っていた。でも、幻になった。
延期になったことでは、それは早く決着をつけたい思いはあって残念でもあるが、この未曾有の大災害。判決どころではない気持ちが強い。それに待つは楽しみ。楽しみが終わらず、先に延びただけだから、大したことではない。
延期になった判決、6月13日がいいかも!また数字の並びは違うけども。

祈り

2011-03-16 | Weblog
大地震から6日目。
毎日、余震は続いてるが、昨夜は静岡でもマグニチュード6。震源が広がっている感じもあるけども、こうして地盤の歪みが解消され、余震活動も収まるのだろう。そうあって欲しいと祈る思いだ。
福島原発が暴走を始めたニュースが中心になり、地震そのものに付いてのニュースが少ない感じだ。原発が暴走したらば世界的な災害を招くのだから、仕方ないが、その中でも宮城や岩手、福島など、被災者に対する政治の手不足が見える。壊滅的な被害を受けた陸前高田市。何年か前に救援会の皆さんの力を借りて支援を求めて歩いたことがあった。浜を見下ろす丘にある食堂で食事をしたこともあったが、あのときの皆さんを含めて、どうされているか。一緒に陸前高田市を回った人とも、「そうだょなぁ、行ったよなぁ」と語っただけで、それ以上に言葉が継げなかった。
今朝は雪景色となった陸前高田市の映像を見ながら、被害を受けた人、亡くなられ人に、ただただ祈るしかない思いだ。