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【実質賃金、リフレで順調に?減少中】アベノミクス、やはり貧富差拡大に成功!①

2016-04-29 00:00:46 | 日本

 ここのところ「アベノミクスは失敗した」なんて声がちらほら聴かれます。これを受けて安倍首相周辺は「失敗してはいない」と返したりしています。さて、本当のところはどうなのか、アベノミクスは成功それとも失敗? このあたり、何を基準にその成否を判断するのか、によってアベノミクスの評価は180度変わってくるわけです。本稿ではこの基準を以下のように定めて、安倍首相がいうとおり「アベノミクスは失敗などしていない、それどころか成功している」さまを表現してみたいと思います。で、その基準とは―――「貧富差」。

 「貧富の差を広げるという意味で『リフレは正しい』」―――こう題した記事を3年前の4月、本ブログに掲載しました。リフレとはリフレーション―――意図的に継続的なインフレを起こそうという経済政策のことで、年率2%のインフレを起こします!と宣言して201211月から始められたアベノミクスがこれに該当します。で、上記掲載から3年が経ったいま、わが国の貧富差はどうなったかというと、当時の予測のとおり、このあと記す各種のデータなどから見事、大きくなったようすが窺えるのです。アベノミクスは失敗どころか成功しているといえる、その狙い「貧富差の拡大」に照らして―――と上段で指摘したのはこのためです。

 まずは、多額の株式や不動産といった資産を持っていない一般庶民の暮らしを唯一支える「賃金」から。ここでは名目の賃金額ではなく物価の影響を加除した「実質賃金」のアベノミクス前後の推移を見てみることにします。

 上のグラフは厚生労働省の毎月勤労統計調査に公表されている実質賃金指数2008年(平成20年)から昨年2015年(平成27年)までの移り変わりをみたものです(2010年を「100」)。これをみるとアベノミクス実質開始の2012年以降、実質賃金が急降下したことがよく分かります。とくに2014年は前年比でマイナス2.8%と、リーマンショックの翌年2009年の値をしのぎ、2005年からの10年間で最大の減少割合を記録しました。対前年で0.9%減った昨年2015年の数字は94.6と、実質賃金は2012年からのアベノミクス3年間で4.6%も減り、これまたこの10年間でのワースト値をつけています

 他方、現金給与総額は、2012年の98.9から2015年の99.0とほぼ横ばいとなっています。このように、見た目の賃金がアベノミクス前後であまり変化していないのにもかかわらず実質賃金が5%近くも減ったということは・・・それだけ賃金を実質的に減少させるインフレを喚起するリフレ政策が功を奏したということになります。ここでのインフレは上記グラフからも分かるとおり「賃金インフレ」とは真逆のコストプッシュ型インフレと呼ばれる輸入原材料の円建て価格上昇によってもたらされたもので、アベノミクスが「そうしよう」として意図的に引き起こしたもの。で、その原材料インフレの推進エンジンこそ、アベノミクスの同義語といっても過言ではない「円安誘導です。

続く

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