(前回からの続き)
先月、再締結された中国と韓国との間の通貨交換(スワップ)協定について、通貨の強さ(実質利回りの高さ)を表す不等式「円>ドル>ユーロ>新興国通貨(ウォンを含む)」を示しながら思うところを綴っています。前回、韓国にとって、のみならずアメリカをはじめとする全世界の国にとって、この種の協定を結ぶうえで最も頼りになるパートナーは、同不等式で最上位に位置する「円」の日本であることを指摘しました。
では日本にとってはどうか、ですが・・・これ、現実的にはそれほど意味のある協定にはなり得ません。というのは先述のとおり、わが国が国家デフォルトに陥るリスクは世界でもっとも低いからです。したがって日本が相手国からおカネ(ドル等)を融通してもらわなければならない非常事態に陥る可能性はきわめて小さいわけです。逆に先方のほうが円貨の提供を要請するケースのほうがずっと多くなるはず。となると、わたしたちにとってはむしろ・・・貸し倒れ・・・つまりパートナー国がついにデフォルトに追い込まれ、せっかく貸してあげたおカネが返ってこなくなるリスクのほうがよほどコワい、ということに・・・
まあこんな感じで、あまりメリットはない・・・とはいえ、わが国は国家戦略上、円に近い「強さ」のドル、ユーロ、スイスフランといった世界主要通貨との交換協定を保ち続ける必要はあるでしょう。安全保障の観点から、金融安全網で米欧英豪加らを「味方」につけておく意義はありますからね。ですが、それら以外の新興国などとの協定は、この貸し倒れリスクを十分に計測し、結ぶか否かを慎重に判断するべきと思います。
で、韓国ですが・・・同リスクがきわめて高い国ということができるでしょう。ソルベンシーそのものに難があるのはもちろんですが、それに加えてこの国、島根県竹島の不当占拠をはじめとして日本にしばしば「敵」対的な姿勢を示すわけです。となると、かの国には上記の懸念がぬぐえない、すなわち融通してもらった円貨を意図的に(韓国に言わせれば「戦略的に」?)返そうとしない、あるいは最悪踏み倒す(!)といった「恩を仇で返す」ようなリアクションをしてくるおそれがないとはいえません・・・(?)
以前から本ブログでは、日本は韓国とスワップ協定を再締結するべきではないと書いてきました。それはこちらの記事等で述べた理由のほか、以上のような危険が想定されるためでもあります。ゆえに繰り返しになりますが、わが国は韓国にこの種の金融セイフティーネットを提供するべきではない、少なくとも同国が竹島から無条件で撤収しない限りはーーーと考えるものです。「従軍慰安婦問題に関する日韓両国間の合意を順守するから・・・」って? 話にならない・・・