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【超バブルなのにFRB議長「幾分高い」・・・】「口先利上げ」バブル沈静化に手を焼くFRB①

2017-07-03 00:00:07 | アメリカ

 為替レートに働きかける意図がある当局者の発言を「口先介入」といいますが、これになぞらえるとこちらのほうは「口先利上げ」といった感じでしょうか・・・

 米連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長は先月27日、一部の資産の価格が「やや高く」なったとの見解を示しました。同議長はロンドンにおけるイベントでこのあたりに関する聴衆からの質問に対して「高く見える。けれど確証はない(look high, but there is no certainty about that)」と回答。そして「株価収益率(PER)のような伝統的な尺度を使えば資産価格は幾分か高い(somewhat rich)が、適切な価格水準についてコメントしようとはしない。これらは長期金利に左右されるものだからだ」と続けました。この発言を受け(?)、同日の米株式市場はそれまでの6週間で最大の下げを記録、翌28日には大きく戻したものの29日には再び下落して終値ベースでは27日とほぼ同水準になりました(S&P500種ベース:29日終値2419.7pt.)。

 先日のこちらの記事、さらにこれまで何度も綴ってきたように、アメリカの資産価額は、株、債券不動産などなど、「資産」と名のつくものはすべて、といっても過言ではないほど、どれもすさまじいほどの超高値に達しています。したがって、この現象をどう思いますか?と聴衆から問われたら、反射的に誰もが「はい、バブルです!」と回答するはずです・・・。実際、ドナルド・トランプ現・米大統領は、まだ自身が大統領選の候補だった昨年3月・・・ということはいまから1年4か月も大昔に(!)、米経済はバブルだWe’re in a bubble.)、とはっきり指摘したうえ、バブルを引き継ぐのは嫌だな~みたいな素直な心情を口にされています(うんうん、そのお気持ち、よ~く分かりますよ・・・)。で、当時のダウ平均は17000ドル台半ばで、いまは21000ドル台前半と、何と20%以上も上昇・・・というかバブルにバブルがさらにトッピングされたスゴイ状態に・・・

 ・・・といったなか、このへんの動向に世界一敏感であるべきFRB・・・のトップが「somewhat」(幾分、少々)って、まあずいぶん悠長な印象のワードを口にしていますね。ここはバブリー過ぎる実態に即して「awfully」(恐ろしく)みたいな副詞をちゃんと使うべきかと・・・

 ・・・って、このあたりの表現ぶり、イエレン議長はじつは相当に計算しているように思います(?)。こちらの記事に書いたように、いまのアメリカでは「バブル」はNGワードだから金融責任者としては絶対に使えない、だからといってそのあまりに危険な実態をこれ以上野放しにするわけにもいかない。で、その中間あたり(?)の意味合いを持つ単語を慎重に選んで口に出すことで市場に働きかけようと・・・

 これが冒頭で勝手に命名したFRBの「口先利上げ」というヤツです(?)。

続く

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