アメリカ、そしてこの「星」には、もはや究極の選択しか残らないように思えてなりません―――かの国の「核」とともに生きるか、それとも、かの国を・・・
ご存知のように、北朝鮮をめぐる情勢が緊迫の度を強めています。この先どうなっていくのかについては、アメリカの立場から考えるのが分かりやすいと感じられるので以下、同国の見地で想像できるところを綴ってみたいと思います。
まずは現在、国連の安保理で議論されている北朝鮮に対する最強の経済制裁、つまり石油禁輸措置の是非。たしかにこれが発動されれば同国は干上がってしまうでしょう。でもこれ、中国およびロシアが反対するために実行は非常に難しそうです。それに、かりに中露を含めた世界各国が協調し、北朝鮮への石油供給が止められたところで、同国が「参りました」と音を上げる可能性は・・・きわめて低いのではないでしょうか。北朝鮮はこれまで、乏しい国力のほとんどすべてを核&ミサイル開発に注ぎ込んできました。したがって、いくら石油との引き換えであっても、かの国がむざむざこれらを廃棄し、アメリカに降伏(?)するとはとても思えないわけです。そんな屈辱を受け入れるくらいなら潔く(?)、いまある核戦力の即時全面行使、たとえば・・・いまのミサイルでも余裕で届く〇〇への核攻撃(!?)に打って出て、国家間で差し違える覚悟なのではないか(?)。こう考えると中露の、北朝鮮を追い詰め過ぎるとかえって危険、という見方もあながち的外れではないと思えるわけです。
では、何らかの交渉事はどうか? 具体的には米朝両国が二国間で話し合うというものです。これはその結果、何が決まるのかによってその後の展開が変わってくるように予想されます。まずはアメリカが現・独裁体制の安全を保障、たとえば在韓米軍の全面撤退を条件に北朝鮮に対して核&ミサイルの放棄を求めるもの。これは・・・上記同様の理由から同国が呑むはずがないので、あり得ません。それではアメリカが北朝鮮を中露などと並ぶ核保有国と正式に認知し、相互に不可侵を約束する、といったあたりならどうか。これなら何となくありそう・・・ですが、この場合も下記のようにリスキーな問題だらけとなります・・・
第一に、韓国にこれが受け入れられるのか?ということ。同国と北朝鮮の両国は、正式にはいまだに朝鮮戦争の交戦国同士の関係にあるわけです(現在は休戦中ということになっている)。ここでアメリカが韓国の頭越しに北朝鮮を国家と認めてしまったら、朝鮮半島の分断状態は永久に固定され、悲願の民族統一はかなわないことになります(まあ戦後生まれの世代にとってはそれでかまわないという人が多いでしょうが・・・)。それに、敵方(北朝鮮)には核所有を許可しておいて味方(韓国)には持たせない理由がもはやなくなるのでアメリカは、韓国が望めばその核武装を認めるしかなくなるでしょう・・・