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【「弱い者同士」の協定では…】中韓通貨交換協定:あらためて意識される「円>ドル>他通貨」②

2017-10-25 00:01:59 | アジア

前回からの続き)

 前回、このほど延長された中国韓国との通貨交換協定は、実質的には中国による韓国救済の枠組みであり、中国にはこれによって韓国に恩を売るとともに、人民元の国際金融界における地位向上を図ろうとの意図がある、といった見方を綴りました。

 で、これで韓国は緊急時の備えが十分に整ったといえるのでしょうか?・・・って、けっしてそうではないと思います。たしかに同国は世界各国とこの手の連携を進めてきてはいます。韓国メディアによると現在、中国のほか、インドネシア(100億ドル)、マレーシア(47億ドル)、オーストラリア(77億ドル)、アラブ首長国連邦(UAE)(54億ドル)と同協定を締結済です(UAEとは現協定を延長の予定)。これらの合計は838億ドル相当で、かなりの額といえるでしょう。

 しかし・・・同国が結んだ上の2国間スワップはすべて双方が自国通貨を交換する仕組みとなっています。ということは万一の際、韓国が融通してもらえる通貨は・・・人民元、インドネシアルピア、マレーシアリンギット、オーストリアドル、UAEディルハムとなりますが、問題なのはこれらのなかに国際通貨いわゆるハードカレンシーがひとつも含まれていないこと。これ、おもに以下の2点でこのスキームの銃弱性が指摘できるところです。

 1点目が、これらでは外貨建て債務の返済に充てるのは難しいこと。いざというときに韓国が返さなければならないのはドルとかユーロ建ての借金です。上記通貨はいずれもこれに該当しないため、たとえば・・・せっかくルピアを融通してもらったところで欧米の債権者はこれを直接は受け取ってはくれないでしょう。

 2点目が、こうした通貨はいずれも国際通貨よりも弱い通貨だということ。金融危機になると強い通貨(支払い能力が高い国の通貨)が買われ、弱い通貨(同低い国の通貨)が売られることになります。で、この場合、ウォンを含めた上記通貨はどれも弱い通貨のためにドルユーロに対して大きく減価し、それゆえ、貸してもらったルピアでドルを調達しようにも必要な量を到底確保できない可能性が高いはず。

 ついでにいえば、同危機時は上記協定のパートナー国も韓国と同様の非常事態―――資本流出トリプル安に見舞われ、外貨建て債務の支払いに窮する事態―――に陥るでしょうから、どこも韓国に金融支援する余裕なんてない・・・どころか逆に韓国に「おカネを貸してくれ~!」と懇願したいくらいなのではないでしょうか・・・

 このように考えてみると、韓国の上記スワップはその思惑どおりにワークしそうにないと予想されます。もう少し正確にいえば、韓国は本来の願いをかなえてくれるスワップ相手と結ばれていない、といった感じでしょうか・・・

続く

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