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【英国民投票で明らかに】「金>円>ドル>ユーロ>他通貨」Brexitが証明①

2016-07-07 00:03:43 | 世界共通

 金>円>ドル>ユーロ>新興国通貨」―――本ブログでたびたび登場させている通貨の強さの序列を表す不等式です。ここでいう「強さ」とは、その通貨の実質の利回り、つまり実質金利(=名目金利―[予想]インフレ率)の大きさのこと。価値保存力の高さと言い換えることもできます。これが世界一となる通貨(不換通貨)が、わが国の、2位は米ドル、3位がユーロ、などとなります。で、万国通貨の金(ゴールド)は別格で、円を含むどの通貨よりも上位に君臨する―――。

 この不等式が成立する様が、わずか一両日で確認できるタイミングがありました。それが6月23~24日にかけて、つまり「Brexit」(英国のEU離脱)の是非を問う国民投票が英国で行われ、その結果、大方の予想に反して離脱派の勝利が決定した日です。この間、為替レートは通常の数か月分、一気に変動しました・・・

 下記のグラフは6/23時点の100円相当の金、円、ドル、ユーロ、英ポンド、そして韓国ウォンの円換算額が6/24(Brexit決定の日)にそれぞれいくらになったかを示すものです。6/23にこれら各外貨に投資した100円が6/24にどれだけリターンを生んだか、それともロスを発生させたか、が分かるわけですが・・・

 ・・・きれいに「金>円>ドル>ユーロ>新興国通貨」の順に並びました。は100.8円と唯一、0.8%のプラス利回りを達成しています。当然ですがの100円は100円のままで利回りはゼロです(厳密には預貯金であれば超わずかながらプラス)。これに対してドル以下のすべての通貨が軒並みマイナス。ドルは96.3円、ユーロは94.0円、韓国ウォンは93.9円で、最悪は英ポンドの88.6円となりました。もしこれらの通貨を日本人投資家が(円で)買っていたら、わずか一昼夜で大損する計算になります・・・

 ここで、どん尻となった英ポンドですが、本来はドルほどではないもののユーロや新興国通貨と同等あるいはちょっとは強い通貨であったはず。たまたま上記のタイミングは、英国民投票はEU残留派が優勢だったのが、開票が進むにつれて離脱派の勢いが想定以上に強いことが分かり、最終的には4ポイントもの大差で勝利!という投資家にとってはまさか!の展開でした。なので英ポンド暴落の背後には、この日独特の事態すなわち急激なポジション変更を迫られた投資家による大量の投げ売りがあったものと推察されます。

 なお、新興国通貨の代表としてここで登場させた韓国ウォンですが・・・同国は経常黒字国なのでウォンは通常、Brexitみたいなリスクオフ局面では同じ新興国通貨のなかでも比較的堅調なはず。でも結果としては上記のようにユーロやブラジルレアル(95.2円)よりも下がってしまいました。その理由は、これまたおそらくBrexit、つまり韓国の金融市場において占有率の高い英国金融機関がBrexitにともなって韓国ウォン建て資産の大量売却に動くとの思惑が働いたためと考えています。この欧米銀とくに英銀への依存度の高さは、家計部門の巨大債務と並んで、韓国経済最大のアキレス腱といえるでしょう・・・

続く

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