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【独立カタルーニャ、法人税下げで企業呼び寄せへ】カタルーニャ「独立」で分かるユーロ圏の根源的矛盾③

2017-10-09 00:02:34 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 前述のとおり、もしスペインからの独立を勝ち取って財政自主権を得られたら、カタルーニャはユーロ圏のアイルランドと同じ手を打つ、すなわち自「国」に外国の有力企業を呼び寄せようと法人税率を周辺国よりも低く設定するだろう、と考えています。これ、フランスとスペインというユーロ圏の大国に陸続きという「地の利」がある点でカタルーニャは、欧州大陸と海で隔てられているアイルランドより有利かもしれません(?)。

 そしてタイミングが良いことに(?)、英国が「Brexit」(ユーロ圏からの離脱)を決定したせいで、同国がユーロ圏各国との貿易における特恵待遇を失うとの懸念が生じ、同国に進出中の多くの企業がその拠点を大陸欧州側に移そうという動きが活発化しそうです。さあどこに行こうか?と思案する各社にカタルーニャが「税率は低いし、ユーロ圏各国へのアクセスも良好ですよアミ~ゴ!」とアピールすれば、けっこうな数の企業がグレートブリテン島から地中海沿岸の同国に引っ越してくるのではないでしょうか(?)。

 逆にこれ、周辺国とりわけスペインにとっては経済的な脅威となるでしょう。同国の企業もまた低い税負担に惹かれて次々とカタルーニャに移る結果、同国では「産業の空洞化」が進むリスクがあるということです。スペイン企業とその株主にとっては、同じイベリア半島内のカタルーニャへの移転は言語や文化のハードルがないに等しいうえ、税金が安い分だけ利益の拡大も図れるわけだから大いに歓迎すべきこと。こうしてスペイン「本体」から多数の企業がカタルーニャに吸い寄せられてしまい、スペインはやせ細るばかり(?)。だからといって、(カタルーニャ抜きでも)人口4千万に迫る大国スペインに、カタルーニャに対抗できるほど税率を引き下げるなんてこと、そうやすやすとはできないでしょう・・・

 本稿一回目でご紹介のように、スペインはカタルーニャ「自治州」の独立を決して認めず、場合によっては同州の自治権を停止し、中央政府による直接統治すら辞さない構えです。これほどの強硬策までちらつかせてスペインがカタルーニャの独立阻止に動く背景のひとつには、もしそれを許したら上記のようになりかねない、とのおそれがあるからだと推察しています。

 そうしたなか、両者間の対立激化を嫌気するカタルーニャ本拠の企業が逆に(?)マドリードなどの「スペイン側」へ脱出しようという動きが出てきました。これ、上述の観点からするとカタルーニャにとっては非常に痛いこと。なので、このトレンドが続くと自治政府側が白旗を上げる―――独立宣言を断念する可能性もありそう(?)。そうなると、今度は独立支持派の住民が黙っているはずもなく・・・なんて危険な展開も想定されるような・・・

続く

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