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【2つに1つ、統合か、バラバラか、だが・・・】カタルーニャ「独立」で分かるユーロ圏の根源的矛盾⑤

2017-10-13 00:00:35 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 ユーロ圏根本的な矛盾―――通貨・金融が統一されているのに財政は不統一―――が解消されない限り、スペインにおけるカタルーニャとかベルギーにおけるフランドル地方のような周辺よりも豊かなエリアが独自の財政権を得るべく独立しようとする動きは今後も続くものと予想されます。この場合、当然ながら独立しようとする側(≒豊かな側)と、これを阻止しようとする側(≒豊かではない側)の間で激しい対立が起こり、最悪のケースでは暴力沙汰が起こらないとも限りません・・・(って、スペインがそうならないように望みたいところですが)。

 この矛盾を完全に解消させる手は、先述のとおり「財政も統合」か、「財政・通貨・金融を各国が個別に持つようにする」か、のいずれかとなります。前者はユーロ圏全体を一つの「国」にするようなものです。すでにユーロ圏は国家が具備すべきおもな機能等が統一されていて、その最後の「糸」である財政が織り込まれれば、晴れて(?)「ユーロ共和国」という1枚のタペストリーが出来上がる、といった感じ。美しいと「は」思います。いっぽうの後者は・・・なんてことはない、みんなでユーロ導入以前の状態に戻ろう!ということ。これまでの苦労はいったい何だったの・・・って感じですが、各国は民族・言語・文化・宗教等がおおむね同じ者同士でまとまるわけだから、まあ折り合いをつけてやっていくしか―――自前の通貨・金融・財政を整えて国家を運営していくしか―――ないでしょう・・・

 で、上記2つですが・・・いずれも実現は超~困難。前者は・・・ユーロ圏の盟主ドイツが絶対に認めようとはしないわけです。財政統合をいいことに、フランス「以下」の「州」が放漫財政に走り、その尻拭い(財政の穴埋め)をドイツ「州」がする羽目になるから。それに、万一ドイツが超妥協して統一共和国が誕生しても・・・きっと内部で上記カタルーニャみたいなことが頻発する―――ユーロ共和国のなかの豊かなエリアが自治権(≒財政権限)の拡大を中央政府に次々に要求する―――ため、共和国が国家として安定することはないでしょう・・・

 では後者は?・・・って、今度はギリシャとかイタリアのようなユーロ圏の重債務国がけっしてこれを受け入れはしません。なぜならこれはせっかく手にいれたユーロという名の、実質的にはドイツ経済によって裏付けられた強い通貨を失い、ドラクマやリラといった以前の自分たちの弱い(インフレな)通貨に戻ることを意味するからです。そうなればガソリンなどの輸入必需品の価格は急騰、ローン金利なども上がって人々の生活水準は一気に下がり、政治・社会不安が起こって、国家国民そろって悲惨な局面へ・・・

 というわけで、上記2つのいずれもユーロ圏には選択不可能・・・でしょう(?)。じゃあ、どうしたらいいんだ~!って・・・だらだらと問題先送り、バーストまで・・・ではないでしょうか・・・

(続く)

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