44年も前に作られたドラマ。脚本は向田邦子さん。ご自分のお父様を思いながら書かれた作品、と聞いた事がある。明治生まれの武骨な父。今時、こんな話をしても通じる相手がどれだけいるのか。時代が全く変わった。東京・谷中の石屋を舞台に三世代同居の難しさや父と息子、父と娘の結婚話等難問を軽やかに紡ぐ。ただ、明治の父親があそこまで自分の信念を曲げなかったかどうか、その為に家族に暴力を振るったかどうかはやや疑問に感じた。当時役者としては素人の作曲家・小林亜星さんをドラマの主人公には迎え入れたのはもしかして、向田さんの希望? 職業は異なるし時代も違うがどっしりとした小林さんの風貌に父親の面影を感じたのかなーと。だとしたらしあわせな気持ちで脚本を執筆されたのだろうな。大きな理由はないが、羨ましい気がする。