戦争や社会に反対する姿勢が勇ましかった、野坂さん。昨夜亡くなったとニュースで聞いた。脳梗塞を患い自宅で奥様が介護していると伝えられていたが、最期を自宅でと言うのは並大抵の事ではない。しかもあれだけ(?)我がままな人と24時間年中無休で支えた奥様とはどんな方なのか。お疲れ様でした。もっとも我がままな人だからこそ自宅でないと介護も出来ないよなー。今頃は現実を受け入れられない状況だろうか。神戸の空襲の悲惨さを描いた”火垂るの墓”によって彼は関西人だと思い込んでいたが、鎌倉生まれだったと初めて知った。しかも生まれる前に両親が別居し、生まれて数か月で母親は死亡。そんな悲劇の人だったとは。時代背景もあるがあの時代には珍しい事ではなかったのか? 産後の肥立ちが悪く亡くなる母は少なくなかったと聞く。そんな境遇だったからこそ、あのように斜に構える姿勢が身についていたのか。決して悪い事ではないと思えたが、多くの人には受け入れられる思想ではなかったかも。常に不機嫌そうでへそ曲り。妹思いの優しい人なのかも知れないが(火垂るの墓は実話に近いそうなので)表立っての優しさは感じられなかった。テレビで放送された故大島渚監督との壇上での殴り合いは、今でも印象に残っている。あれだけが野坂さんではないのにそのイメージは強い。(あれはどっちもどっちでいい年したおっさんの醜態以外の何物でもなかったが)歯に衣着せぬ物言いの人がまたひとりいなくなった事が、ちょっと寂しい。
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