スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典ジャパンダートダービー&体制の変化

2022-07-14 19:26:34 | 地方競馬
 昨晩の第24回ジャパンダートダービー
 セキフウは発馬後の加速が鈍く1馬身の不利。積極的に逃げようという馬がなく,リコーヴィクターが流れで逃げることになりました。向正面の入口でリードは2馬身くらい。2番手にブリッツファングで3番手にコマンドライン。4番手のペイシャエス,バウチェイサー,ノットゥルノまでは一団。2馬身差でトーセンエルドラドとクライオジェニックとガルボマンボ。10番手にセキフウとコスモファルネーゼ。3馬身差でキャッスルブレイヴで最後尾にハビという隊列。前半の1000mは61秒1のハイペース。
 逃げたリコーヴィクターは3コーナー手前から騎手の手が動き出しました。コーナーを回るとほどなくブリッツファングが先頭に。マークするように外からノットゥルノが追い上げてきました。直線に入るとブリッツファングとノットゥルノの競り合いに,内を回って直線でノットゥルノの外に出てきたペイシャエスと,3コーナーから大外を捲り上げてきたハビが接近してきて優勝争いは4頭に。ブリッツファングを競り落として先頭に立っていたノットゥルノが差してきた2頭の追い上げを凌いで優勝。その外のペイシャエスが4分の3馬身差で2着。早め先頭のブリッツファングが半馬身差の3着で大外から追い込んだハビが半馬身差で4着。
 優勝したノットゥルノは重賞初制覇での大レース優勝。デビューから2戦は芝を走って勝てず,ダートを使うと連勝。その後も2着,2着とダートでは連対を外していませんでした。とはいえ前走はブリッツファングに8馬身も負けていましたので,逆転は難しいのではないかとみていました。このレースはブリッツファングが前半から行きたがった上に早めに動き過ぎたという面はありますが,それだけで逆転できたとは考えにくく,距離が延びたこと,コースが変わったこと,不良馬場になったことなど,ほかにもいくつかの要因があったものと思います。4頭は接戦でしたから,絶対的な能力差があるというわけではないでしょう。父はハーツクライ。Notturnoはイタリア語で夜想曲。
                                        
 騎乗した武豊騎手は日本ダービー以来の大レース制覇。第4回,5回,7回以来となる17年ぶりのジャパンダートダービー3勝目。管理している音無秀孝調教師はスプリンターズステークス以来の大レース20勝目。第15回,21回以来となる3年ぶりのジャパンダートダービー3勝目。

 スピノザの政治倫理に適う政治体制は,政治体制そのものに還元することができないのには,もうひとつ別の理由もあります。これは単純にいえば,ある政治体制は永続するわけではないという点です。だから,政治体制がどのようなものであっても,それぞれに見合うような倫理が必要になるのです。
 君主制,貴族制,民主制を比較すれば,民主制が最も優れた制度であるということ自体はスピノザは認めます。しかしこれらの政治体制は,あくまでひとつの政治体制であるという意味においては,何か価値の上で差があるというわけではありません。むしろ国家Imperiumの統治のあり方を示しているだけです。そしてそれらは,統治されている国家のあり方を示すのですから,どのような制度であったとしても,いわゆる自然状態status naturalisとは対義語的関係にあるような状態を意味します。つまりそれは自然状態ではない,『スピノザ〈触発の思考〉』で用いられているいい方に倣えば,共同社会状態status civilisという意味で,自然状態に対して等価なのです。ですから,民主制の国家は民主主義国家ともいわれますが,その場合の民主主義ということに,何か特別の意味があるのではないのです。たとえば権利jusの平等,とりわけ参政権の平等というのは,民主主義国家の根幹であるといえるのですが,民主主義というのはそうした権利を求める運動を意味しているわけではなく,ある国家の統治形態のあり方しか意味しません。ですからスピノザにとっての民主主義は,理念的な目標のようなものでもありません。現に存在する,あるいは存在すると考えることができる政治体制のことを意味するのです。
 したがって,君主制,貴族制,民主制という各々の段階があって,人類の歴史が段階的に発展していくという見方をスピノザはしているわけではありません。現実には逆方向の変化もあるとスピノザは考えています。『国家論Tractatus Politicus』の第八章第一二節の冒頭では,民主制が貴族制に変わり,貴族制が君主制に至る理由が説明されていますが,その理由を説明するということは,実際にそういう変化が生じるということをスピノザが認めているからだといえます。民主制という最終段階があるのではありません。

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