スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

日刊スポーツ賞スパーキングサマーカップ&国家の精神と身体

2024-08-08 19:05:35 | 地方競馬
 愛知から1頭,高知から1頭が遠征してきた昨晩の第21回スパーキングサマーカップ
                         
 逃げたのはアランバローズ。飛ばしていったので向正面に入るところで4馬身くらいのリードに。2番手以下はスマイルウィ,ランリョウオー,リンゾウチャネル,ブルベアイリーデの順で続き,4馬身差でポリゴンウェイヴ。7番手にフォーヴィスム。3馬身差でボンディマンシュとスピーディキック。2馬身差でトランスナショナル。4馬身差でブラックストームとモダスオペランディ。2馬身差でアドマイヤルプス。2馬身差の最後尾にゴールドホイヤーととても縦に長い隊列に。前半の800mは49秒8のハイペース。
 3コーナーでもアランバローズのリードは5馬身くらい。追いかけていたスマイルウィの方が苦しくなり,内を回ったリンゾウチャネルが直線の入り口では単独の2番手に。ただアランバローズとの差は直線に入っても徐々にしか詰まりませんでした。その間に外から伸びてきたのが控えていたフォーヴィスム。鋭い差し脚でリンゾウチャネルを差して2番手に上がると,その勢いのまま逃げ粘るアランバローズも差し切って優勝。逃げたアランバローズが2馬身差で2着。詰め寄ったリンゾウチャネルは半馬身差で3着。
 優勝したフォーヴィスムは南関東重賞初制覇。昨年の10月までJRAで走って4勝。転入初戦が重賞で4着。その後は南関東重賞が3着と4着。前々走のオープンが2着で前走のこのレースのトライアルで転入後の初勝利をあげていた馬。アランバローズとの比較からしてスマイルウィとスピーディキックは体調が整わず,能力を十全に発揮したとはいえないと思いますが,最も得意なパターンに持ち込んだアランバローズを差し切ったのは評価できるところ。今後もこの路線では有力候補になるでしょう。父はドゥラメンテ。Fauvismeは前世紀の初頭にフランスで起こった絵画運動の名称。
 騎乗した金沢の吉原寛人騎手習志野きらっとスプリント以来の南関東重賞35勝目。第20回からの連覇でスパーキングサマーカップ2勝目。管理している川崎の内田勝義調教師は南関東重賞は24勝目。スパーキングサマーカップは初勝利。

 スピノザが人間の論理を示したのが『エチカ』です。それに対して国家Imperiumの論理を示したのが『神学・政治論Tractatus Theologico-Politicus』であり『国家論Tractatus Politicus』であったといえます。すでに指摘しておいた通り,『神学・政治論』では社会契約論が用いられているのに対し,「国家論」ではそれが姿を消していますから,『神学・政治論』と『国家論』では論理のあり方が変わっているという見方をすることも可能でしょう。一方,『神学・政治論』は政治理論を中心に考察したのに対し,『国家論』は政治の実践を対象に据えているので,その部分の齟齬は問題とするには値しないという考え方もできると思います。僕は今はどちらの見方が正しいかということに優劣はつけませんが,ひとついえるのは,国家の論理を示すには『エチカ』だけでは十分ではないのであって,『神学・政治論』や『国家論』のような,国家を考察の対象として据える考察がスピノザには必要であったということです。確かにスピノザは『神学・政治論』でも『国家論』でも,国家をひとつの身体corpusに喩え,そのひとつの身体の精神mensが国家を統治するという説明をします。しかしそれはあくまでも国家そのものの身体でありまた精神なのであって,現実的に存在する人間の身体humanum corpusおよび精神とは異なったものです。だから人間を国家に喩えることはできないし,逆に国家を人間に喩えることもできないのです。
 『神学・政治論』も『国家論』も,『エチカ』への言及はみられます。ですから国家の理論の基礎となるのが人間の理論であるという考えをスピノザはもっていたと僕は思っています。それは純粋に国家を構成するのが人間だからだというのが僕の考えで,これは単純にいえば,スピノザの政治論が国家主義的なものよりも個人主義的なものを志向しているからでしょう。国家がなければ個人はあり得ないというのはスピノザの考え方にはそぐわず,個人がなければ国家はあり得ないというのがスピノザの基本的な考え方になっているのだと思います。
 『スピノザー読む人の肖像』に関連する論考はこれで終わりとします。明日からは日記に戻ります。僕がこの本を読み終えたのは昨年の9月27日でしたから,それ以降のことです。

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