スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

スタセリタ&振る舞い

2022-04-19 19:10:33 | 血統
 桜花賞を勝ったスターズオンアースの母は,2013年にイギリスで産まれたサザンスターズです。そしてその母で,2006年にフランスで産まれたスタセリタという馬も,その前に輸入されています。日本での母系はこのスタセリタから始まっています。セリエンホルデとサロミナの7代母が,スタセリタの7代母にあたる同一牝系でファミリーナンバー16-c
                                        
 スタセリタはGⅠを6勝した名馬。サザンスターズが最初の産駒で,サザンスターズを生んだ後,種付けをされた状態で輸入されました。来日してから産んだのがソウルスターリング。2016年に阪神ジュベナイルフィリーズを勝ってJRA賞の最優秀2歳牝馬に選出されると,翌年はチューリップ賞とオークスを勝ち,JRA賞の最優秀3歳牝馬に選出されました。
 ソウルスターリングのふたつ下の全妹がシェーングランツ。この馬は2018年にアルテミスステークスを勝っています。
 サザンスターズはおそらくソウルスターリングの活躍があったため,最初から日本で繁殖生活をスタート。スターズオンアースは日本で2頭目の産駒となります。
 これだけ短期間で大レースの勝ち馬が2頭出ていますし,その2頭を含む重賞勝ち馬の3頭がいずれも牝馬ですから,日本でも牝系が発展していきそうです。現時点で気掛かりなのは,ソウルスターリングはオークスを勝った後,シェーングランツはアルテミスステークスを勝った後,いずれも勝てなかったように,やや早熟の傾向がみられること。その意味では世代を経たスターズオンアースが,これ以降どのくらい活躍することができるのかという点に,血統面から注目しています。

 第四部定理三五は,人間は理性ratioの導きに従う限りでは,本性naturaが一致するといっています。いい換えればこの限りにおいては人間が対立的であるということはありません。それがスピノザのいう敬虔pietasの意味なのですから,人間は理性に従う限りでは敬虔であるということになります。これはもちろん,キリスト教の信者であるかないかということとは関係ありません。キリスト教徒だけが理性の導きに従うことができるというわけではないからです。たとえキリスト教を信じていなくても,あるいは同じことですが,イエスをキリストとは認めていないとしても,人間は敬虔であるということができるのです。
 一方,スピノザが解するキリスト教の教えのふたつのうちのひとつは,隣人を愛せということでした。人は隣人を愛する限りでは対立的であることはありません。いい換えれば敬虔であることができます。したがって,この教えを遵守する限りでは,人間は敬虔であることができます。つまり,理性に従う人と同じように行動することになるでしょう。よって,理性に従って振る舞う場合と,聖書の教えを忠実に守って振る舞う場合は,その振る舞いの内容は一致します。前者は理性によって,つまり精神の能動actio Mentisによって敬虔であるのに対し,後者は聖書の教えによって,つまり聖書から働きを受けるpatiことによって敬虔であるのですが,振る舞いは一致するのです。つまり,現実的に存在する人間は,ある種の受動passioによって,能動的な人間,スピノザの哲学でいうところの自由の人homo liberと同じように振る舞うことができます。そしてこの限りにおいては,スピノザは受動的であること,本来的には非道徳的なことを,むしろ推奨するのです。
 これは今の考察とは無関係ですが,僕はここに示したスピノザの考え方については,論理的な飛躍が含まれているのではないかという疑いをもっています。しかもふたつの論理的な飛躍が含まれているのではないかと思っています。これはこれでスピノザの哲学の探求にとっては重要なことでしょうから,この機会に僕の疑念を説明しておきましょう。
 まずひとつは,スピノザがキリスト教の教えといっている,隣人を愛せという点です。

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