スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典東京プリンセス賞&多と一

2020-04-29 18:57:59 | 地方競馬
 昨晩の第34回東京プリンセス賞
 発馬後の加速でブロンディーヴァが前に出ましたが,外から先手を奪いにいったカラースキームがハナへ。テーオーブルベリーとアクアリーブルが2番手を併走し,控えたブロンディーヴァはレイチェルウーズと並んでの4番手に。6番手にルイドフィーネとリヴェールブリス。8番手にバブルガムダンサーで9番手がシントーヨーキヒ。3馬身差でサブノアカゾナエとアートムーブメント。12番手にミナミン。あとは2馬身差でヤマジュンサルサ,2馬身差でミリミリ,4馬身差でマッドシティ,5馬身差でジュンスピード。能力的に見劣りする馬も出走していたこともあり,隊列は縦長に。最初の800mは50秒2のミドルペース。
 3コーナーを回るとカラースキームとテーオーブルベリーとアクアリーブルの3頭は併走に。追ってきたのが内から順にブロンディーヴァ,レイチェルウーズ,リヴェールブリスの3頭。前の3頭から抜け出したのがアクアリーブル。後ろの3頭からはリヴェールブリスの末脚が優り,抜け出したアクアリーブルとの差を詰めていきました。一旦は差が縮まったのですが,そこからまたアクアリーブルが頑張り,最後は同じ脚色となり優勝はアクアリーブル。リヴェールブリスが1馬身4分の3差で2着。内を捌いて伸びてきたルイドフィーネが1馬身半差の3着で,2着馬に伸び負ける形になったレイチェルウーズがアタマ差の4着。
 優勝したアクアリーブル桜花賞からの連勝で南関東重賞2勝目。桜花賞のときはレイチェルウーズに次ぐ集団の1頭という位置づけ。ここはレイチェルウーズの巻き返しがあると思いましたが,前走よりはレースになったものの伸びを欠きました。2着馬は僕はノーマークの伏兵だったのですが,3着馬は力がある馬なので,成長の度合とか現状の体調まで含め,アクアリーブルが3歳牝馬ではトップに立ったとみなしていい結果が出たと思います。母は第26回を制したアスカリーブルで母仔制覇。母の父は1999年にセントライト記念に勝ったブラックタキシード
 騎乗した大井の矢野貴之騎手は鎌倉記念以来の南関東重賞20勝目。今月はマリーンカップで重賞初制覇を達成しました。第29回以来5年ぶりの東京プリンセス賞2勝目。管理している船橋の佐藤賢二調教師は南関東重賞41勝目。第20回,32回に続き2年ぶりの東京プリンセス賞3勝目。

 バディウAlain Badiouの説明によれば,存在論というのは,純粋な多の存在existentiaとしての存在の学ないしは思考を意味します。ここで純粋というのをどう解するべきかはよく分からないのですが,僕はそれを,数学的な理念とか数学的な形式と理解します。ここでの考察において重要なのは,純粋とは何であるのかということより,バディウが存在を多の存在と規定している点です。このとき多に対抗するのは一で,したがって多の存在論に対しては一の存在論というものが成立することになります。バディウは存在論を哲学や形而上学から剥奪することを目指していたのですが,これでみれば分かるように,バディウは一の存在論というのは哲学的あるいは形而上学的なものであるとみなしていて,それを多の存在論に移行させようとしていたことになります。そして多の存在論を解明するのが数学で,バディウは実際に,このような存在論は数学において主題として規定されていたわけではないけれど,数学の全歴史の中では達成されてきた,実現されてきたのだといっています。ただしこれは,完全に達成された,あるいは完全に実現されたという意味よりは,これからも達成されていくであろうし,実現されていくであろうという意味に解するのが適当だと僕は思います。
                                        
 近藤によれば,数学こそが存在論であるという主張をバディウが断行する理由は,上述の点にあるのだそうです。すなわちあらゆる多を一の専制から解放することがバディウの目指したところであり,そのゆえにバディウは,数学は存在論である,という,それ自体をどのように擁護するべきなのかが難しいと思えるようなテーゼを定式化したということです。いい換えれば,数学は存在論である,というテーゼが有する意味は,この点にある,もっといってしまえばこの点にしかないということになるでしょう。
 ただし,このようなバディウの考え方は,それこそ純粋に哲学とか形而上学を解釈しようとする立場からは疑問の余地があるように思えます。というのは,これだと哲学的なあるいは形而上学的な存在論はそのすべてが一の存在論であるといわなければならなくなりますが,それが正しいとは思えないからです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オルデンブルクとの文通&第... | トップ | 羽田盃&プラトンとアリスト... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

地方競馬」カテゴリの最新記事