スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

NHK杯テレビ将棋トーナメント&Ⅰ型糖尿病の発症

2015-03-24 19:14:53 | 将棋
 一昨日の午後に放映された第64回NHK杯の決勝。対戦成績は森内俊之九段が5勝,行方尚史八段が4勝。対局数の少なさに驚きました。
 振駒で行方八段の先手になり,角換り相腰掛銀。
                        
 先手が穴熊を目指したところで△3五歩▲同歩△2四銀の森内九段の仕掛けはおなじみの手順。そこで▲4五歩と反発に出ました。
 桂馬の頭を狙っているのですから△同歩はあり得ず△3五銀。歩を取って進出できたのは大きいと思います。すぐに▲4四歩ではなく▲3六歩△同銀と呼び込んでから▲4四歩。△4二金引は当然でしょう。
 先手も桂馬を守る必要があり,▲4六角。そこで先に△9二飛と逃げて手を渡しました。
 ▲1五歩△同歩▲1三歩は,攻めるならそう進めるところと思います。ただ△5九角は厳しい反撃で,▲1八飛に△3七銀不成と後手は桂馬を取りきりました。
 これが角にも当たっているので▲6四角は仕方ないかと思いますが,端も緩和されました。△2六銀不成と銀を逃げておき,▲5八金には△7七角成▲同金と切り,△6三歩と打ちました。
                        
 ここではすでに先手が窮しているのではないかと思います。角を切って2九に香車を打っていきましたが,飛車を取られる展開になり,後手が最後まで押し切っています。
                        
 森内九段の優勝。第46回,第51回に続き13年ぶり3度目のNHK杯優勝です。

 まず延長の属性の場合,いい換えれば人間の身体の場合から説明します。これについては,僕がⅠ型糖尿病を発症したことを事例としましょう。
 医学的には,これは膵臓,もっと具体的にいうならランゲルハウス島という部位に関する異常と規定されます。これは身体を構成する部分であって,この異常をそれ自体で身体の「中に起こること」と規定してよいかは意見が分かれるところでしょう。ただ,この異常を十全な原因として発生する,血糖値が異常なほど高い値で維持されるということに関しては,身体の「中に起こること」と規定することに異論はないものと思います。ですから第二部定理一二第二部定理一三により,僕はそれを知覚します。
 このとき,これは単に身体の中に起こっているというだけでなく,身体の完全性をより大きな完全性からより小さな完全性へと移行させているという点についても,おそらく異論は出ないでしょう。ですから僕のその知覚は,第三部諸感情の定義三により,悲しみを伴うような知覚であったわけです。
 しかし,救急車で病院へと運ばれ,適切な処置を受け,薬物としてのインスリンの注射を行うようになると,それは移行ではなくなります。というか,高い値で維持されていた血糖値が低下するということは移行,今度はより小なる完全性からより大なる完全性への移行であって,僕は病院のベッドで自分の身体の状態が楽になっていくことを,喜びとともに知覚しましたが,それらの処置によってその状態が持続するようになると,もはや移行は生じなくなるわけです。ですから僕は何も知覚しなくなりますし,喜びや悲しみを感じたりもしなくなりました。もちろん,僕は以前はインスリンの注射を必要としてはいませんでしたから,そのことを想起し,それとインスリンを注射している現在の知覚とを比較することによって,自身の身体の完全性が大なる完全性から小なる完全性へと移行したと表象し,それで悲しみを感じるということはあり得ます。あるいは論理的にも成立するといえます。ただこれは精神の表象に関連するのであって,目的としている,延長の属性によって説明される悲しみではありません。

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