スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

東日本発祥倉茂記念杯&自由の人と賢者

2023-01-22 19:11:19 | 競輪
 大宮記念の決勝。並びは新山‐佐藤の北日本,吉田‐平原‐宿口の関東,郡司‐深谷‐萩原の南関東で中本は単騎。
 平原と郡司がスタートを取りにいきました。枠が内だった平原が誘導の後ろに入って吉田の前受け。4番手に郡司,7番手に新山,最後尾に中本で周回。残り2周のバックに入って吉田が誘導との車間を開け始めました。それをみて新山が上昇。打鐘後に吉田を叩いて前に。佐藤が連結を外しそうになったのですが,ホームの入口あたりで吉田が引いたので,新山の後ろに。後ろになった郡司がすぐさま発進。ホームの出口では新山を叩いてかまし先行に。佐藤の後ろに続かなかった中本が,萩原の位置を奪って3番手。バックで吉田が巻き返しにいきましたがこれは不発。直線入口あたりで郡司との車間を開けていた深谷が,郡司の失速をみて踏み込むと,そのまま突き抜けて優勝。深谷マークのレースになった中本が2車身差で2着。直線で外目から伸びてきた佐藤が4分の1車輪差で3着。さらにその外から追い込んだ宿口が半車輪差の4着。
                                         
 優勝した静岡の深谷知広選手は昨年10月の静岡のFⅠ以来の優勝。記念競輪は昨年8月の小田原記念以来の優勝で18勝目。大宮記念は2016年以来の2勝目。このレースは地元勢を引き連れた吉田の先行が有力で,新山がどのように抵抗するのか,また平原が番手捲りをしたときに郡司がさらにその上をいくことができるのかが焦点だと思っていました。ところが郡司のかまし先行という,僕が考えていない形のレースになりました。郡司の先行になってしまうと吉田や新山が捲るのはなかなか大変。実際に深谷はだれにも迫られることなく番手を回ることになり,絶好の展開でした。昨年までは深谷が郡司の前を回るケースが多く,それで郡司が恵まれるというケースも多々ありましたので,郡司が深谷の前を回るという場合には,このような展開になることも想定しておかなければならなかったということでしょう。

 第二種の認識cognitio secundi generisの場合も第三種の認識cognitio tertii generisの場合も,それで認識された十全な観念idea adaequataは,永遠の相species aeternitatisの下に認識されているのであり,したがって永遠から永遠にわたって存在することになります。つまり存在することをやめません。このような意味で,第五部定理四二備考の,賢者は賢者としてみられる限り存在することをやめないということの意味を解することは可能だと僕は考えます。そして字義通りの意味でいえば,こちらの解釈の方が近いといっていいと思います。現実的に存在する人間は,賢者であるか無知者であるかに関係なく,あるいは自由の人homo liberであるか奴隷であるかに関係なく,現実的に存在することをやめます。また,現実的に存在する人間の精神mens humanaが,十全な観念だけによって組織されるということはあり得ず,いくつかの十全な観念と,大抵の場合はそれより多くの混乱した観念idea inadaequataによって構成されます。しかし,賢者が賢者といわれるのは,あるいは自由の人が自由の人といわれるのは,その人が能動的である限りにおいてであり,同じことですがその人が事物を十全に認識するcognoscere限りでのことです。ですから,事物を十全に認識しているとみられる限り,賢者は賢者として存在することをやめないという意味に解することはできるのであり,そして確かに十全な観念は存在することをやめないのです。
 現在の考察からは離れますが,ここで第二種の認識と第三種の認識を考察したことから,スピノザが自由の人という場合と賢者という場合とでは,いくらかの相違があるのではないかということがみえてきます。僕は賢者を自由の人と置き換えた上で,ここまでの考察を続けてきました。このように置き換えて問題はないものと思いますが,実際には自由の人も賢者も同じように能動的に活動し事物を十全に認識するのであるにしても,強調されるポイントには相違があるとみることができます。第四部定理六六備考で自由の人が説明されるとき,理性ratioによって能動的であることとして説明されています。つまり第二種の認識が強調されています。これに対して賢者は,『エチカ』の最後の備考Scholiumでいわれているのであり,そこでは第三種の認識が念頭に置かれていると思われます。

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