スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

埼玉新聞杯埼玉新聞栄冠賞&現代的問題

2023-10-18 18:56:33 | 地方競馬
 第33回埼玉新聞栄冠賞
 マンガンはダッシュが鈍く1馬身の不利。逃げたのはランリョウオー。2番手はヴェルテックスとなり,3番手にジョエル。4番手がオーヴェルニュで5番手にエルデュクラージュ。3馬身差でユアヒストリー。7番手にカイル。3馬身差でナムラカメタローとミヤギザオウ。10番手にコスモセイリュウとコパノジャッキー。2馬身差の最後尾にマンガンという隊列で1周目の正面を通過。前半の1000mは62秒9のハイペース。
 3コーナーを回ると前の2頭の外からジョエルが接近。ヴェルテックスは苦しくなり,ランリョウオーとジョエルが並ぶように直線に。直線に入っても競り合いは続きましたが,最後はジョエルがランリョウオーを差して優勝。ランリョウオーの外から追い込んできたユアヒストリーが逃げたランリョウオーに迫ってフィニッシュ。こちらは写真判定になり,逃げ粘ったランリョウオーがクビ差の2着。ユアヒストリーがハナ差で3着。
 優勝したジョエルは前走のオープンから連勝。南関東重賞は一昨年の黒潮盃以来となる3勝目。この馬は古馬と対戦するようになった後,昨年の3月までは勝てないまでも善戦を続けていたのですが,その後は大敗も目立つようになりました。今年の5月に入ってオープンを連勝して復活。その後の2戦は負けていましたが前走は6馬身差の圧勝。その勢いのまま古馬の南関東重賞を制覇しました。今年の5月以降の連勝は所騎手が乗ってのものだったのですが,騎手との相性がよほどよいのだろうと思います。ただ,戦績からは調子の浮き沈みが激しいタイプと思えますので,安定した成績を残すのは難しいかもしれません。父は2004年にサラブレッドチャレンジカップ,2009年に黒船賞兵庫ゴールドトロフィー,2010年に兵庫ゴールドトロフィーを勝ったトーセンブライト。母の父はダイワメジャー
 騎乗した船橋の所蛍騎手はデビューから半年で南関東重賞初制覇。管理している船橋の張田京調教師は南関東重賞13勝目。埼玉新聞栄冠賞は初勝利。

 ホッブズThomas Hobbesによる自然権jus naturaeの解釈が,その時代において主流なものであったかどうかは分かりません。ただ,もしもそれが確かにそうであったとしたのなら,スピノザによる自然権の理解の方が,かなり変わったものであったということになります。もっともスピノザは,人間には自由意志voluntas liberaがあるということを否定しているのですから,もしも人間の自由意志が自然権という概念notioと関係しているのであれば,そうした自然権についてスピノザが認めることができなかったのは当然です。ですからこのことは単にホッブズやスピノザが生きていた時代についてだけそのようにいえるというわけではないのであって,現代的な問題も含んでいることになります。すなわち現代でも人間には自由意志があるという錯覚は主流な見解opinioとみなすことができるのであって,もしもそのことが自然権と関係して理解されているのであるとすれば,スピノザの見解は現代においても異質なものとならざるを得ないからです。少なくとも刑法などは,人間には自由意志があるということを前提として制定されていると理解する必要があると僕は考えますので,それを自然権と結びつけるかどうかということは別にしても,人間に自由意志を認めないスピノザの哲学は,現代においても異質な哲学であるのは間違いないと僕は思っています。いい換えれば,ホッブズがいうような自然権という概念は,スピノザがいう自然権の概念よりも,現代においても受け入れやすい概念になっているのは確かでしょう。
                                      
 次に,ホッブズは自然権の目的finisとして,現実的に存在する諸個人が,自分自身の生命を維持するということをあげていて,このことがホッブズにとっては重要だったと伊豆蔵は指摘しているのですが,この点に関してはスピノザの考え方と一致する,少なくともある程度の調整を加えれば一致させられると僕は考えます。スピノザは目的論を排除しますので,人間の自然権というものが何らかの目的を遂行するために存在するという考え方は採用しませんが,この部分は単にいい方としてそのようになっているだけで,ホッブズが目的論を意識していたと解する必要はありません。なのでこの相違は無視します。
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