スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

サンタアニタダービー&経験

2023-04-09 19:02:45 | 海外競馬
 日本時間の今朝,アメリカのサンタアニタパーク競馬場で行われたサンタアニタダービーGⅠダート9ハロン。
 マンダリンヒーローは向正面に入ったところでは逃げた馬から6,7馬身差の5番手。この差が3コーナーにかけて3馬身差くらいまで詰まりました。このコーナーでは内に入って進出。外から捲り上げてきた馬もいて,直線の入口では4番手。直線は前をいく3頭のうち,先頭の馬と2番手の馬との間に進路を求めると,3番手にいた外の馬と3頭の競り合いに。直線先頭というレースをしたPractical Moveをフィニッシュにかけて追い詰めましたが届かず,ハナ差の2着でした。
 この馬は昨年のハイセイコー記念まで4連勝して今年の初戦は雲取賞で2着。そのときが初めての1800mで,走破タイムは1分54秒6でした。日本のダート,とくに地方競馬のダートはタイムがかかるのに対し,アメリカのダートはタイムが早くなる傾向がありますので,まずそれに対応することができるのかということが焦点。単純な比較はできませんが,6秒ほど走破タイムを更新しましたので,そうした対応力はあったことになります。日本のダート馬は展開面での恩恵を受ければ海外の大レースを勝てるところまできているということはすでに判明していましたが,今日のこの馬のレースぶりをみると,普通にレースの流れに乗って勝つという日を迎えるのもそう遠くない将来のことなのではないかと思いました。

 共通概念notiones communesには一般性のレベルに差があると僕が考えていることの根拠,およびドゥルーズGille Deleuzeと福居の共通概念の理論を僕がどのように評価しているのかということは理解してもらえたと思います。ただ,共通概念の一般性というのは,共通の本性essentiaをもつ個物res singularisによって異なり得ると僕は考えています。最後にこのことも説明しておきましょう。
                                   
 恐竜は絶滅しているけれど,恐竜に共通の本性は,形相的本性essentia formalisとして神Deusの属性attributum,この場合は延長の属性Extensionis attributumの中に含まれていて,かつその観念ideaは神の無限な観念の中に包容されています。このゆえに僕たちは恐竜の本性について考えることができるのです。ところで,恐竜というのはある種の生物のことをいうのであって,その中には個別の種類が含まれています。たとえばティラノサウルスとかトリケラトプスといわれるものです。このとき当然ながらティラノサウルスに共通の本性は形相的本性として延長の属性に含まれていますし,その観念は神の無限な観念に包容されています。このことはトリケラトプスの場合にも該当します。そこでもしもある知性intellectusが,ティラノサウルスの共通概念を認識しまた恐竜の共通概念を認識するcognoscereならば,恐竜の共通概念の一般性のレベルは,ティラノサウルスの共通概念の一般性のレベルよりも高いということを理解します。これはそれ自体で明らかだといえるでしょう。
 僕の考えでは,そもそもこうしたことが同意されるということ自体のうちに,共通概念の一般性のレベルに差があるということ,あるいは僕たちがそのことを知っているということが含まれているのです。というのは僕たちがそうしたことに同意することができるのは,そうした関係にある共通概念を有しているからにほかならないからです。つまり一般的にいえば,共通概念には一般性のレベルに差があるということに同意することができるのは,実際に僕たちが共通概念を有しているがゆえにそのことを知っているからなのであって,要するに共通概念を有していさえいれば,経験的に共通概念には一般性のレベルに差があるということを知ることができるのです。ただしこのことは第二部定理三八系に訴えて論証することはできないのです。
コメント
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