スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

優駿牝馬&本性の変化と完全性の移行

2016-05-23 19:14:17 | 中央競馬
 昨日の第77回オークス
 逃げたのはダンツペンダント。以下,エンジェルフェイス,ゲッカコウ,ロッテンマイヤー,フロムマイハートの順で1馬身ずつの間隔で追走。2馬身差でウインファビラス,1馬身差でアウェイク。2馬身差でビッシュ。また2馬身差でアットザシーサイドとペプチドサプルの2頭。1馬身差でデンコウアンジュとレッドアヴァンセの2頭。1馬身差でシンハライトとチェッキーノの2頭。縦長の隊列になりました。最初の1000mは59秒8のミドルペース。
 直線に入るとまずエンジェルフェイスが先頭に。その5頭ほど外から追ってきたビッシュがこれを交わして先頭に出ると,直線で馬場の中ほどまで出たものの行き場がなく,デンコウアンジュを弾くように進路を確保したシンハライトと大外を追いこんだチェッキーノが急襲。追い込み馬の末脚が優り,優勝はシンハライト。クビ差の2着にチェッキーノ。ビッシュは半馬身差の3着。
 優勝したシンハライトは前々走のチューリップ賞以来の勝利で大レース初制覇。チューリップ賞まで3連勝で,前走の桜花賞がハナ差の2着でしたから,ジュエラーとメジャーエンブレムが不在となったここは実績最上位。不利がなければ勝てるだろうと考えていて,直線はその不利を被りそうに。騎手が処分を受けているようにフェアな騎乗ではなかったと思いますが,馬の能力という点に関していえば,能力通りの決着であったといっていいかと思います。父はディープインパクト。全兄に2011年のラジオNIKKEI杯2歳ステークスを勝ったアダムスピーク
 騎乗した池添謙一騎手は昨年のジャパンカップ以来の大レース制覇。第69回以来8年ぶりのオークス2勝目。管理している石坂正調教師はフェブラリーステークス以来の大レース制覇。第73回以来4年ぶりのオークス2勝目。

 たとえば僕に耳鳴りがするようになったこと,もう少し一般的にいって現実的に存在する人間に生じるこうした変化を老化というのであれば,一般に老化現象を考える場合に,それを完全性の移行として把握するよりも,本性の変化として把握する方がよいだろうと僕は思っています。ただし,僕がこのようにいう場合には,ひとつだけ留意しておいてほしい点があります。
                                     
 第二部定義六から明らかなように,スピノザの哲学においては完全性と実在性というのは同じです。したがって完全性の移行というのと実在性の移行というのは同じことです。なのでより大なる完全性からより小なる完全性への移行とは,より大なる実在性からより小なる実在性への移行なのであり,同様に小なる完全性から大なる完全性の移行とは小なる実在性から大なる実在性への移行ということです。
 僕はスピノザの哲学でいう実在性というのを,力という点からみられる本性であると解します。どんな事物にもそれに固有の本性があります。その固有の本性が力という観点から知性によって認識されるなら,それはその事物の実在性と認識されると僕は考えるのです。つまり知性がある事物の本性を認識するということとその事物の実在性を認識するということは,同じ認識を異なった観点から把握することだと解するのです。したがって,事物の本性の変化を認識することと,事物の実在性すなわち完全性の移行を認識するということは,結局のところ観点の相違に帰着します。他面からいえばもし事物に本性の変化が生じるならば必然的に完全性の移行も生じるのであり,完全性の移行が生じているならば必然的に本性の変化も生じているというのが僕の見解なのです。そして僕はこのことを踏まえた上で,耳鳴りがするようになること,あるいは老化といわれる現象一般については,実在性の移行として認識するよりも本性の変化として認識する方が優れていると考えているのです。つまり僕は異なった認識ふたつのうちのひとつが優れていると考えているわけではありません。むしろ同じ認識を異なったふたつの観点からなすときに,そのうちのひとつの方が優れていると考えているのです。
コメント
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