スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典サマーチャンピオン&進言

2015-08-18 19:19:05 | 地方競馬
 実力接近と思われるメンバーで争われた第15回サマーチャンピオン
 逃げたのはシゲルカガ。ケージーヨシツネとエスワンプリンスの2頭が並んで追走。以下,タガノトネール,タガノジンガロ,レーザーバレット,キョウエイアシュラ,ピッチシフターまで,わりと差がなく進みました。最初の600mは36秒1のミドルペース。
 3コーナーを回るとケージーヨシツネとエスワンプリンスは苦しくなり,内からタガノトネール,外からタガノジンガロ。この2頭が最終コーナーで逃げたシゲルカガも交わしました。結果的に通ったコースの差が大きかったようで,ロスが少なかったタガノトネールの優勝。タガノジンガロが2馬身半差で2着。半馬身差の3着争いは接戦でしたが,やはり内を回ったレーザーバレットがキョウエイアシュラの追撃を凌ぎました。
 優勝したタガノトネールは重賞初勝利。前々走のオープンを勝ち,前走のプロキオンステークスも4着に入っていたので,ここでは有力候補の1頭。少なくともこのレベルでは今後の活躍も約束されていて,もう少し上のレベルで戦える可能性も残しているといえるでしょう。母の父がキングカメハメハ。半弟に昨年のデイリー杯2歳ステークスを勝っている現役のタガノエスプレッソ。Tonnerreはフランス語で雷。
                         
 騎乗した川田将雅騎手は第11回13回を制していて2年ぶりのサマーチャンピオン2勝目。管理している鮫島一歩調教師はサマーチャンピオン初勝利。

 王党派の中枢に近かったコンスタンティン別荘に,急進的な議会派で,無神論者とみなされていたスピノザが頻繁に通うというのは,スキャンダルになりかねない出来事でした。フォールブルフの3人の牧師がこのことを知り,自由思想の原理を抱く人物,すなわちスピノザが,オラニエ家と密接な関係にある人びと,すなわちコンスタンティンらを動かそうとしているという主旨の説教をしたと,ファン・ローンは述べています。ここからもカルヴィニストの牧師の説教というものが,単に宗教的な内容だけをもっていたのではなく,きわめて政治的な内容が含まれていたことが分かります。
 この牧師の説教を政治的文脈に絡めるならば,スピノザの家主であったティードマンらの人選に,当地の保守派の牧師たちが反発したということとパラレルな関係にあることが分かります。ティードマンにはコレギアント派の傾向があったというとき,それは自由思想を容認する傾向があったとも理解できるわけで,反動的なカルヴィニストにとっては,そうした自由思想こそが最大の敵であったのだからです。
 ローンは自身も議会派ではあったのですが,コンスタンティンに不利益が及ばないように,牧師が説教をしていることを進言したようです。しかしそれを聞いたコンスタンティンは,何も言わずに肩をすくめただけでした。それでローンはそんな説教はまったく気にする必要はないのだと理解し,躊躇なくスピノザの訪問を待ち受けるようになったと書いています。
 コンスタンティンの態度の理由というのは,ふたつの側面から考えることができるように僕には思えます。ひとつは,個人がどのような政治的思想を抱いているのかということと,プライベートの交際とは無関係であるとコンスタンティンは信じていたというものです。ローンはコンスタンティンに仕えてはいたのですが,自由思想家の傾向があるということくらいはコンスタンティンには分かっていたと思うのです。ローンとスピノザの相違は,それが外部に広く知られているかいないかだけで,だからコンスタンティンは,ローンと交際するように,スピノザとも交際したと考えられます。
コメント
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