スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典TCK女王盃&積極的理由

2014-01-22 19:12:16 | 地方競馬
 この路線の絶対女王が出走してきた第17回TCK女王盃
 ワイルドフラッパーの逃げは予想通り。メーデイアが2番手でマーク。発走で躓いたオメガインベガスがインから巻き返し,外のレッドクラウディアと3番手は併走。やや追走に苦労した感のあるアクティビューティ,アムールポエジー,カラフルデイズと続きました。最初の800mは49秒3のミドルペース。
 3コーナー手前からメーデイアがワイルドフラッパーに並び掛けていくと,3番手以下がやや離れ,直線はこの2頭の追い比べに。ワイルドフラッパーもよく粘りましたが,最後はメーデイアが女王の貫録で抜け出して優勝。ワイルドフラッパーが2馬身半差で2着。焦点の3着争いはインコースをロスなく立ち回ったカラフルデイズが制しましたが,2着とは5馬身の差をつけられました。
 優勝したメーデイアJBCレディスクラシック以来の勝利で重賞6勝目。昨年も制しているのでTCK女王盃は連覇。そのレースから快進撃が始まり,不動の女王に。2着馬は初対戦でしたが,追い比べで制しましたから,やはりこちらの方が能力が上であったということでしょう。57キロという斤量は楽なものではなく,立派といえます。現役引退が迫っているようですが,最後まで女王の座を守り通した形となりました。父はキングヘイロー。半姉に2006年の福島牝馬ステークスを勝ったロフティーエイム。Medeiaはギリシャ神話に登場する王女。
 騎乗した浜中俊騎手,管理している笹田和秀調教師は第16回に続く連覇でTCK女王盃2勝目です。

 疑問の無限連鎖を回避し,第四段階を最終段階として設定するより積極的な理由は,スピノザの哲学,なかんずく『エチカ』の体系との関係からです。確かに第一部公理三だけを視野に入れたならば,疑問は無際限に連鎖します。しかし第一部公理三は単独で主張されるわけではなく,『エチカ』というひとつの公理系を構成する一要素です。ですからこのような観点から考えるということは,何ら否定されるべきではなく,むしろ必要であるとさえいえます。
 すべての因果的必然性をひとつに統一するPが存在すると仮定します。このためにはPが存在する原因が必要です。これを認めないと,強い意味はもちろんのこと,弱い意味まで成立しなくなりますから,これは当然です。そこでそのPが存在する原因がどこにあるのかといえば,それはP自身の内部にあるか,そうでなければPの外部にあるかのどちらかです。これはこの公理より前,第一部公理一に示されている事柄です。第一部公理一が公理あるいは共通概念notiones communesといえるのかということには,また疑問の余地があるでしょうが,これは『エチカ』の全体の中では,現在の考察とは別の問題なので無視します。
 もしもPの原因がPの外部にあるなら,疑問はレベルをひとつだけ上げてさらに続きます。そしてこの場合には,無限に連鎖する可能性が残ります。しかしその原因がP自身のうちにあるという場合には別です。疑問はそこで停止することができます。
 『エチカ』の公理系において,このように疑問を停止させる存在が否定されているなら,無限連鎖ということになり,強い意味の真理性の成立に関しては解不能ということになります。しかし『エチカ』ではそうした存在は否定されていません。むしろ冒頭の第一部定義一が,そうした存在を許容しています。このゆえに,疑問の無限連鎖は回避可能になるのです。
 ひとつ注意しておけば,この論理はPが第一部定義一に示される自己原因でなければならないということを意味しているのではありません。疑問を連鎖させていくうちに,自己原因に到達するなら,それで構わないということです。
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