スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ユニバーサル杯女流名人位戦&第三段階の弱点

2014-01-19 19:24:34 | 将棋
 出雲文化伝承館で指された第40期女流名人位戦五番勝負第一局。対戦成績は里見香奈女流名人が7勝,中村真梨花女流二段が2勝。
 出雲市長による振駒で中村二段の先手。四間飛車に対して里見名人は三間飛車に振っての相振飛車。膠着状態から千日手も狙えた後手が,先手に攻めさせるためのような打開をし,受けに回りました。その攻めの継続が困難になり後手が優位に。最後は攻め合いで決めにいきました。
                         
 7七で角交換になった局面。ここで△9八角と打ちましたが,この手は思い浮かびません。対して▲8七桂というのも仕方ないにしろ凄い受けだと思います。ぼんやりと△8九角成。そこで▲5四銀は先手が狙っていた手だったのでしょうが,あっさりと△同銀とし,▲3二角の両取りを許しました。△3一飛▲5四角成と進んだところで△6六銀で飛車を捕獲。▲7五飛△同銀▲同桂という取られ方で受けに打った桂馬の顔は立ったものの,△5三歩▲4四馬の交換後に△7九飛と打って,この局面は後手の勝ちになっているようです。
                         
 地元での開幕戦を制して里見名人が先勝。第二局は26日です。

 第三段階の疑問も弱点を抱えているということは間違いありません。しかしその弱点の質とでもいうべき事柄が,それまでの段階とは大きく異なっています。
 一般に,AはBであるという言明に対して,AはBではないかもしれないということを問う場合に生じてくるのが,ここでいっている弱点です。この疑問のうちには,AはBであるかもしれないということを同時に含意させざるを得ません。なのでAがBであるということの真理を完全に否定することができないのです。
 確かに第三段階の疑問も,これと同様の要素を含んではいます。具体例として挙げることができるすべての必然的関係は,同一の意味において必然的であるとはいえないかもしれないと主張しているだけで,同一の意味で必然的ではあり得ないということを,十全に証明しているのではないからです。
 しかし一方でこの問いは,強い意味が真理性を有するためには,それらすべての必然的関係が,一般的に必然的であるとみなすための条件が必要であるということを指摘している点を見逃すことはできません。つまり,単にAはBであるという言明に対して,ただAはBではないかもしれないということだけを主張しているのではないのです。それに加えて,AはBであるためには,ある条件,たとえばPが必要とされているということを指摘しているのです。ひとつ前の考察ではありませんが,この疑問は疑問としてただ消極的なものではなしに,ある積極的な要素を兼備しているということになるでしょう。
 ただし,このPそのものに関していうならば,この疑問はそのPが存在しないということを明らかにはしていません。つまりPは強い意味を真理として成立させるための必要条件ではあるけれども,そのPは存在するかもしれないという立場です。ですからここにはある消極性があるのであって,やはり最終的にはこれまでと同様の弱点を有しているといわなければなりません。しかしPの必要性が明らかになることにより,疑問はさらに新段階へとステップすることになります。
コメント
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