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スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

棋聖戦&仮定の検証

2013-06-04 19:22:35 | 将棋
 淡路島で開幕した第84期棋聖戦五番勝負第一局。対戦成績は羽生善治棋聖が21勝,渡辺明竜王が25勝。千日手が二局あります。
 振駒で羽生棋聖の先手。渡辺竜王の横歩取り△8五飛,△4一玉,△5一金の構えから,かなり早い段階で戦いに。一局の流れから類推するなら,早くに差がついていたものと思われます。
                         
 これは先手が桂馬を取り返して駒損を回復した局面。次に▲7三歩成とされてはたまらないので△3一玉と逃げていますが,こういう手が必要であるということは,すでに後手苦戦とみてよいのかもしれません。先手は▲6五桂と取った桂馬をすぐに打ちました。△6六歩に構わず▲7三歩成。△同銀▲同桂成で銀得に。△5五桂と反撃ですが駒得なので凌いでいけばよく,まず▲3八銀。△4五馬にも▲5六銀。△7八歩成▲同飛△6七歩成▲同銀△7七歩▲同飛△4四馬は後手としても手順を尽くしての攻めでしょうが,▲6六歩で受かります。以下,△6七桂成▲同馬で第2図。
                         
 これは先手陣が盤石で,後手の攻めが切れたことがはっきりしたようです。この後,先手が反撃に転じて勝ちました。
 羽生棋聖の先勝。第二局は22日です。

 res singularisではないようなres particularisがあるという仮定をしてみます。そしてそれをXとします。その上で,Xとはどういうものであるのかを検討します。
 まず,第一部公理一の意味から,『エチカ』において存在するものは実体であるか様態であるかのどちらかです。したがってXも実体であるか様態であるかのどちらかでなければなりません。しかしXが実体であると主張することはできません。これは第一部定理二五系が,res particularisは様態であるといっていることから明らかです。
 もっとも,第一部公理一というのは,名目的なものであるとも考えられます。むしろ実在的に考えた方が,Xが実体ではあり得ないということはより明瞭にできます。というのは,第一部定理一四は,実在する実体が神だけであることを明示しているからです。したがってXが実体であるという主張は,実在的な意味においては,Xは神である,あるいは少なくとも,Xは第一部定義六においていわれている神の無限に多くの属性のひとつであると主張することにほかなりません。それが第一部定理二五系によって不条理に陥らざるを得ないことは火をみるよりも明らかでしょう。
 したがってXは様態でなければなりません。ただし,res singularisもまた様態です。ここでの仮定におけるXは,res particularisではあるけれどもres singularisではないということになっていますから,それは単に様態であるというだけでは十分ではなく,res singularisではないような様態であるといわなければなりません。
 そこで,今度はres singularisというのがどのような様態であるのかを知ることが必要になります。それを理解していなければ,res singularisではない様態としてどのようなものが考えられ得るのかということが不明だからです。
 res singularisは第二部定義七で定義を与えられています。つまりそれは,有限で定まった存在を有するものであるということになります。
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