スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

東京ダービー&Xの要件

2013-06-06 19:06:47 | 地方競馬
 フルゲート割れとなった昨晩の第59回東京ダービー
 出遅れ癖もあり直線勝負が多かったイヴアルブの逃げは予想外。アメイジアが2番手に続き,内の3番手にジェネラルグラント。カイカヨソウは外につけ,ヴェリイブライトを挟んでアウトジェネラル。ソルテ,ブラックワード,キタサンオーゴン,インサイトザパークという隊列。ただ,ソルテは向正面で外を進出していきました。前半の1000mは62秒8で,逃げ馬の逃げではなかったわりにハイペース。
 3コーナーを回るとアメイジアが遅れ始め,カイカヨソウが外から2番手になって直線。逃げたイヴアルブも苦しくなり,その内を突いたジェネラルグラントが先頭に。カイカヨソウの外に漸進してきたソルテ,さらにその外から後方待機のインサイドザパーク。この3頭のうち大外のインザイドザパークが最後までじわじわと伸び続け,馬体が大きく離れたジェネラルグラントを半馬身捕えて優勝。コースロスなく回ったジェネラルグラントが2着。思いのほか後ろからとなったソルテがカイカヨソウは交わして1馬身4分の1差で3着。
 優勝したインサイドザパークは昨年10月の平和賞以来の南関東重賞3勝目。3歳になってからは勝利こそありませんでしたが,トップクラスで入着を続けていて,優勝候補の1頭と考えていました。これまでのレースぶりから,距離延長が最も魅力に感じられたのがこの馬。持ち味は一瞬の鋭さには欠けても長続きする末脚で,これを生かすにはある程度の距離があった方がいいということなのではないかと思います。父はタイムパラドックス。母の父はサッカーボーイ。祖母の従妹に2006年のエリザベス女王杯を勝ったフサイチパンドラ
 騎乗した船橋の左海誠二騎手は平和賞以来の南関東重賞制覇。東京ダービーは初勝利。管理している船橋の林正人調教師も東京ダービーは初勝利。

 スピノザの哲学における事物の定義というものがどういうものでなければならないのかということに注意しつつ,第二部定義七にまた注目してみましょう。そこでは,個物res singularisとは,有限で定まった物であるといわれています。そしてこれは,第一部定理二八で,最初に個物res singularisといういい方が『エチカ』でなされたとき,スピノザがそのことばに与えた説明と同一です。したがって,有限で定まった存在を有するものはすべて個物res singularisであるというように解されなければならないということになると僕は判断します。よって,現在の検証作業で措定したXなるものが,res particularisではあるけれどもres singularisではないとするならば,それは様態であって,有限で定まった存在を有さないものでなければならないということになります。
 ただし,だからres particularisとres singularisに同一の訳を与えて構わないということが直ちに帰結するというわけではありません。上述のように措定されたXの要件を十全に満たすものは,『エチカ』の中に示されているからです。それは無限様態です。したがって,無限様態がres particularisの一種をres singularisと共に構成するということがいえるとすれば,res singularisとres particularisを,同じように個物と訳すことは,むしろ妥当ではないということになるでしょう。もう少し正確にいいますと,『エチカ』における無限様態というのは,直接無限様態と間接無限様態のふたつに分類することが可能です。したがって,措定されているXは,無限様態のすべてを意味しなければならないというものではありません。間接無限様態はXではあるけれども直接無限様態はXではないとか,逆に直接無限様態はXだけれども間接無限様態はそうではないという場合であっても,res particularisのうちにres singularisではないようなXがあるという点では相違ないからです。
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