スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

香港国際レース展望&第二部定理二九系

2008-12-12 19:08:13 | 海外競馬
 この時期恒例の香港での国際レース。今年も日本から3レースに4頭が出走の予定です。
 最も勝機があるかと思えるのは香港マイルに出走するスーパーホーネット。大レースは勝っていませんが,マイルチャンピオンシップでは昨年,今年と2着。今年はその前の毎日王冠で,後の天皇賞を勝つウオッカを差しきって優勝していますので,力は国際級のものがあると思いますし,調子もよさそうです。ここはおそらく地元の2頭,今年の安田記念で2着したアルマダとグッドババが強敵になるでしょう。この馬については所属する矢作厩舎のブログで,かなり詳しく伝えられています。
 香港スプリントにはローレルゲレイロとトウショウカレッジの2頭が挑みます。ただ,スプリント路線は日本はレベルがやや低く,その中でもこの2頭はトップクラスとまではいえません。さらに過去にこのレースに出走した日本の馬は,ことごとく惨敗していて,どうも日本の馬とは相性が悪そうなレース。どうも苦戦は免れないような気がします。
 香港ヴァーズにはジャガーメイル。この馬は大レースはおろか重賞も勝っていない完全な格下。強調すべき点があるとすれば,前々走の準オープンでスクリーンヒーローを降し,前走のアルゼンチン共和国杯でもそのスクリーンヒーローの2着になっている点。スクリーンヒーローはその後,ジャパンカップを勝ちましたので,この馬も大物相手に善戦するということは考えられるでしょう。
 4頭はもちろんすでに現地入りし,調整が続けられています。またこのレースはNIKKEIで実況中継されますが,舩山アナウンサーがすでに香港入り。舩山アナが現地から実況すると,日本馬は好成績を収める傾向があります。

 ここまで考察してきた事柄をすべてまとめているのが,第二部定理二九系であるといえるでしょう。
 「この帰結として,人間精神は物を自然の共通の秩序に従って知覚する場合は,常に自分自身についても自分の身体についても外部の物体についても妥当な認識を有せず単に混乱し・毀損した認識のみを有する,ということになる」。
 自然の共通の秩序に従って知覚するというのは,表象するということ,すなわち,人間の身体が外部の物体の本性を含む仕方で刺激されることによって,事物を認識するということを意味することはいうまでもありません。これは,たとえば第二部定理四〇のような,人間の精神が知性の秩序に従って事物を認識するあり方との対比でいわれています。
 それから,スピノザが自分の精神に関してこれを自分自身といっているのは,第二部定理二三とここでも同じです。そして妥当な認識を有せずというのは,それらの事物を十全には認識しない,すなわち十全な観念を有することができないということですし,混乱し・毀損した認識というのは混乱した観念のことだと理解できます。
 実際のところ,この系は,この帰結として,と,第二部定理二九に付せられていますが,実際には単に第二部定理二九の帰結ではなく,第二部定理二五や第二部定理二七からの帰結でもあるので,これらの帰結,という方がもっと正しいようには思いますし,実際にスピノザもそのような仕方でこの系を証明しています。そういう意味では系ではなく,ひとつの独立した定理であってもよかったかもしれません。
 なお,この定理の証明は,まさにこの系を帰結させる諸々の定理の証明を繰り返すだけになりますので,ここでは省略することにします。
コメント
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