スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

王将戦&第二部定理二六の意味

2008-12-08 20:42:20 | 将棋
 王将戦挑戦者決定リーグ最終局一斉対局。勝った方が最低でもプレーオフに進出できる深浦康市王位と丸山忠久九段の一戦。これまでは深浦王位が11勝,丸山九段が7勝でした。
 リーグ戦で先後は決まっていて,深浦王位の先手。丸山九段の一手損角換りを予想していましたが,4手目△7四歩からの袖飛車という意表の戦型に。第1図からいきなり△9五歩と仕掛けました。
           
 先手は角を投入して受け,角を手放した代わりに二歩得という分かれに。そこから第二次の駒組に突入しましたが,それなら歩得の方が大きく思えますので,先手がうまく受け止めたといえるのではないかと思います。
 第二弾の戦いも後手から。いよいよ角を投入して,一時的に角銀交換の駒得に。第2図で▲3四飛と▲2一飛成を同時に受けるために△1二角。
           
 長引かせて粘るというのは駒得のときのひとつの指し方ですが,この場合はさすがに辛そう。ここはもう観戦していましたが,持ち時間も先手の方が1時間ほど多く残していて,実戦的にも後手は相当に勝ちにくそうです。
 ここからは後手の攻撃をうまくかわしつつ先手も反撃。最後は一気に決めにいって第3図で後手の投了となりました。
           
 ここは△3一金では▲2三飛成がひどく,合駒しかないですが,▲4二香と打たれ,逃げると詰みなので取って,結局は▲2三飛成が実現しますので,投了も仕方がないでしょう。
 佐藤康光棋王が郷田真隆九段に敗れましたので,深浦康市王位が羽生善治王将に挑戦することになりました。王位戦同様,競り合った展開になることを期待します。第一局は来年1月17日と18日です。

 明日は全日本選抜競輪の決勝です。並びは山崎ー佐藤の北日本に兵藤,海老根ー渡辺の南関東,石丸ー三宅の岡山で,荒井に加藤。一応は北日本かと思いますが。

 それではこれまでのことを前提に,第二部定理二六の意味というのを,ここではどのように考えればよいのかということを決定します。
 まず第一に,この定理は,人間の精神のうちにある個物の十全な観念は生じないというように理解するわけにはいきません。したがって,人間の精神がある外部の物体を認識するあり方が,自分の身体の刺激状態の観念に依拠するあり方だけである,というように考えるわけにはいかないということになります。よって,このあり方によって人間が認識するのは,あくまでも個物が現実的にあるということ,つまり自分自身の現前にある物体が現実的に存在すると観想するというときの,この観想状態であると理解することにします。
 次に,このように個物が現実的に存在するということ自体は,その現実的に存在する個物の本性を,仮に含んでいるとしても,本性そのものと考えるわけにはいきません。しかし一方で,僕は個物Aがある持続のうちに存在するということは,個物Aの本性そのものでなければならないと考えていますので,現実的に存在している個物が現実的に存在しているということと,それが一定の持続のうちに存在することとは,別のことであると考える必要があるでしょう。
 最後に,僕はそのような個物の本性は,この個物がある知性のうちに客観的に把握される限りにおいてのみあるのではなく,まさに現実的に存在している個物が形相的に存在する中にもあるのだというように考えるということになります。
 なお第二部定理二六は,この問題以外では現状の考察に関連しませんので,証明についてはこれを割愛し,考察を先に進めるということにします。
コメント
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