スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

竜王戦&神の変状

2007-09-19 22:25:03 | 将棋
 竜王戦挑戦者決定戦三番勝負第三局。振駒で先手となったのは佐藤康光二冠。後手の木村一基八段が追従したので相矢倉。途中,少しの変化はありましたが▲3七銀の形になりました。どちらかというと後手が受身の姿勢を採ったので,先手が攻め,後手は受けつつカウンターを狙うという,相矢倉によくある戦い方に。83手目の▲1三香成まで,1筋を破ることには成功しましたので,少なくとも部分的には,先手の攻めがうまくいった形かと思います。
 ここから△1四歩▲同成香という進展は僕には意外でした。単に△4一玉だと▲2二成香を嫌ったのかと思いますが,本譜の進展は後手が一歩ただ損しただけのようにも感じます。しかもこの後89手目から▲3二歩△同玉となりましたので,△4一玉の一手もパスに等しくなってしまった感じで,ここは先手がリードしていると思われます。
 97手目の▲1四歩を放置して後手も△9七歩から攻め合いに転じました。先手が101手目に▲5四金と上部から押さえると,後手はと金を外して頑張りました。しかしこれには105手目の▲3三歩が軽妙な好手だったようで,ここからは先手の勝ち筋に入っているのではないかと思います。結局,後手は反撃の暇がなく,そのまま押し切った佐藤二冠の勝利となりました。
 相手の攻めをある程度まで呼び込んで,危ういところを凌いで勝つというのは木村八段の真骨頂ですが,この将棋は少し呼び込みすぎたきらいがありますし,途中の反撃も効果的ではありませんでした。全般的に先手の快勝といえる内容ではなかったかと思います。
 展望の通りに右の山から佐藤康光二冠が竜王戦の挑戦者に。1組優勝者は挑戦者になれないというジンクスを,今年の木村八段も破れませんでした。佐藤二冠は2年連続の挑戦で,昨年渡辺明竜王に3勝4敗と奪取に失敗していますので,雪辱戦となります。一方の渡辺竜王は今期の棋聖戦では佐藤棋聖に敗れていますので,両者にとって,決着をつける七番勝負となります。

 第一部公理一の意味というのは,これを名目的に最も単純に考えれば,自然のうちに存在するのは実体であるか様態であるかのどちらかであるということになります。しかし実在的視点で考えれば,自然のうちに実在する実体は神だけであるということになっていますので,同じ視点から,自然のうちに実在するのは絶対に無限である神か,そうでなければ様態であるかのどちらかであると理解してもいいだろうと思います。したがって,神は絶対に無限なわけですので,もしも有限であるものが自然のうちに実在する場合には,それは有限である様態が実在するということになります。
 実はこのことだけで,有限であるものは無限であるという命題を,真の命題であると理解することが可能になっているといえるのかもしれません。なぜなら,有限であるものは実在する,あるいは実在し得るなら様態として実在しますが,様態というのは実体の変状のことです。ところが,実在する実体は神だけですので,結局のところ,有限であるものは神の変状であるということになります。つまり,Xがあって,Xが実在的で有限なものであるなら,XはXに変状した限りでの神であるということになります。つまり一般に有限なものは,その有限なものに変状した限りでの神であって,神は絶対に無限ですので,有限であるものは,それに変状した限りでの絶対に無限なものであるという命題は,実在的に考える限り,真の命題であるということになります。よって,有限であるものは無限であるという命題を,このように理解する限りでは,この命題は真の命題であるといえるのではないでしょうか。
コメント
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