スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

王座戦&属性の変状

2007-09-22 22:33:57 | 将棋
 王座戦五番勝負第二局。僕の予想に反して先手の羽生善治王座が三間飛車に振りました。後手の久保利明八段はまず居飛車はやりませんのでこうなれば相振飛車。後手は向飛車を選択しました。
 先手が早めに動いて,後手がこれを封じ込めにいったように僕には思えます。観戦を始めたのは5時くらいで,54手目に後手が△4四角と引いた局面。一歩損ですが,2筋をへこませているので後手の方が指しやすそうに僕には思えました。
 夕食休憩を挟み65手目の▲4五歩から先手が動き69手目に▲3五歩と桂馬の頭を狙いにいって本格的な戦いに。1回は△同歩と取るのではと予想してましたがすぐに△2五桂。後手は73手目に角筋を止めつつ▲4六桂と据えました。対して後手も負けじと△7五桂(渡辺竜王はこの手を辛い手と表現されていて,また,現地の解説でもこの手が問題とされたようです)。
 この後,先手は5筋に厚みを作り,79手目に▲7六歩と打ちました。△8七桂成▲5三角成△同玉は先手に分があるというのが両対局者の判断だったようで△9五銀。この後の折衝で後手に香車が入り△4六香が生じたので,先手は89手目に▲6四歩と角筋を遮断しました。
 91手目に▲6五桂とこの桂馬を活用できたのは先手にとって大きかったと思います。△5五銀は▲5三銀と打たれ△4一玉では▲5五飛が詰めろですし,△6一玉は6二で清算され▲7四桂が王手角取り。よって△同銀▲同金で銀との交換に成功しました。これで後手が悪くなったというわけではないのかもしれませんが,ここでは僕には先手が有望のように思えます。
 98手目の△1九角成は,後の王手角取りを避ける意味だったかもしれませんが少し響きの弱い手。▲6二銀から寄せにいき,ここからは先手の勝ち筋に入っていると思われます。即詰みはありませんが117手目に▲7四桂と打たれてあとは受けても一手一手。先手玉も詰みませんので羽生王座の勝ちとなりました。なお,最後,後手には何か狙い筋があったのかもしれませんが,僕には分からず,ただ無意味な王手を掛け続けただけのように思えました。これについては何か説明がほしいところです。
 これで羽生王座の2連勝。今回はホームともいえる大阪での対局でしたので,久保八段には残念な結果でした。第三局は10月3日に指される予定です。
 なお,今日はLogical Spaceさんのリアルタイム中継がありました。手についてはそちらの方が参考になりますのでご一読ください。また,Logical Spaceさんにkuroumaさんを紹介していただきました。こちらも参考になります。

 明日は青森記念の2日目優秀の八甲田賞があります。並びは佐藤-有坂-坂本の北日本,矢口-後閑-小橋の上越,五十嵐-渡辺の南関東で荒井は単騎。矢口選手の先行で後閑選手が狙い。

 第一部定義二の問題を解決するためには,第二部定理六に訴えるのが最も簡潔なのではないかと思います。すなわちこれによれば,有限であるXがYの属性の様態として自然のうちに実在するとき,Xは第一部定理一五の考え方からして,絶対に無限である神のうちに,つまりそうした絶対に無限なものを全体とした場合の一部を構成するものとしての部分として実在するわけですが,実際にXを認識する場合に必要であるのは,絶対に無限なものとしての神ではなく,神の本性の一部を構成するものとしてのYの属性であるということが理解できるからです。
 したがって,ここでもまた全体と部分の考え方には注意しなければなりませんが,これを一種の構造として考えれば,次のようになるのではないかと僕は思います。まず,絶対に無限な実体としての神の部分を構成するものとして,無限に多くの属性があって,たとえばYの属性はそうしたものであるということになります。そして次に,そうした各々の属性をひとつの全体として考えた場合に,その部分を構成するものとして,それら各々の属性の様態があります。つまり有限であるXがYの属性の様態であるとすれば,XはYをひとつの全体と考えた場合の一部を構成します。したがって,Xを限定しているのは,絶対に無限である神ではなく,Xと同一の属性であるYの属性であると理解することができ,この問題は解消されると思うのです。
 これは,Xが神の変状であると考えるのに対して,神のある属性の変状であると考えていることになります。つまり,神の変状に対して,属性の変状という考え方を導入することによって,この問題は解決されると僕は考えます。
コメント (4)
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