浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

うーうーうー

2006-04-24 23:43:59 | 
「伊坂幸太郎をどんどん読んでこう」と思ったのもつかの間、八戸駅の本屋には伊坂幸太郎作品がほとんどない(涙) まぁ小さな書店だからね。ということで何読もうかな、と結構時間を使ってしまった。ふと文庫本のコーナーに「あの作家のデビュー作」というコーナーがあった。伊坂幸太郎の「オーデュボンの祈り」とか恩田陸、小川洋子とか最近話題の作家のデビュー作が並んでいた。その中でふと買ってみたのがこれ。

GO 金城一紀


この人の作品は一度も読んだことがなかった。「レヴォルーションNO3」「フライ、ダディ、フライ」がヤングサンデーで漫画になっていてそれは読んでたけど。もうちょっと軽い、今風の感じかな、と思っていたらぜんぜん違いましたね。

17歳の「僕」の話。舞台が現代な「村上春樹の風の歌をきけ」の印象を受ける。「ノルウェイ」という単語も出てくるしね。話の筋には関係ないけど。主人公のクールな話し方も村上春樹の「僕」を思わせるところがある。
ちがうところは主人公が”在日”と呼ばれること。いろんな要素を含んでいて重いなぁ。(悪い意味じゃなくて)グッと来る。
彼女と有楽町のホテルに泊まったシーンは「あああ、なんてことだ」と落ち込んで一度本を置いてしまった。でも彼女が話す「盲導犬の話」がとてもよかった。
涙をこらえる主人公の「うーうーうー」といううなり声がとても印象的。多分、多くの人がいまもそんな風にうなってるのかも知れない。声にならない声で。

超オススメの五つ星です。★★★★★

最近掘り出し物(僕が読んでなかっただけだけどさ)が多くてうれしいですねー。

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2 コメント

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鴻上さんの視線の良さ。 (あやめ)
2006-05-12 01:21:11
この本は、ラジオで、鴻上尚司(字、違うかも。)

さんが、確か、紹介していた本で、すぐ、買って、読みました。

衝撃。

面白くて、・・・。

一気に読んで、ファンになりました。

いいもの、書く人ですね。

それと、鴻上さんの感性の良さにも、脱帽したのでした。・・・
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あ、 (show)
2006-05-12 14:50:23
鴻上尚史(←字、こっちのはずです)もほめてたんですか。

なんかつながってますねー。実は僕は鴻上尚史好きなんです。



この「GO」すごい小説ですよねー。
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