「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」という映画を観てきました。
まず言っておきます。名作! 観る価値は確実にあると思うし、このジャンルにおいて確実に「レンガをひとつ積んだ」作品だと思う。もしよろしければぜひ。
このシーズンというのはクリスマス商戦直前だし、これからアカデミー賞レースが始まる、ということもあっていろんな作品が公開されている。今ならどの作品観ても楽しめると思うから、そういうタイミングである意味こういう「小品」は不利だろうけどそれでもね。
この作品の扱いもさー、2016年夏にアメリカで公開されたのが2017年11月にやっと日本で公開ってひどくない?とも思いますが、ま、観られるだけ感謝しないといけない。
どういう話かというと、クボと呼ばれる日本人の少年がいて、舞台は江戸時代くらいだろうねぇ、彼の冒険譚なんだけど、まずこの「日本が舞台」という話をハリウッドでやっているということが素晴らしい。もちろん、単に「日本を舞台にしてくれたわーいわーい」と言いたいわけじゃない。日本が舞台のハリウッド映画ならいくつもある。この「KUBO」が素晴らしいのは、日本を舞台に「ちゃんと」描いている、ということ。どうやったってハリウッドで描かれる「日本」というのはぜったいにどこかしら「いや、これ日本じゃないでしょ」と思うところがたびたびある。
例えば、ハリウッド版「ゴジラ」だと舞台は日本の「雀路羅市」(ジャンジラ市)だった。架空だとしてもそんな地名ありえないよね。「ウルヴァリン:SAMURAI」でも食卓のシーンが昔の小津安二郎映画に出てくるちゃぶ台使ってて「さすがにもう無いよ」と思った。まぁこれは監督が小津安二郎好きだから、ってのがあるかも知れないけど。。
そういう細かい点でこの「KUBO」はよく出来ていた。一個突っ込むと、町で盆踊りのシーンがあってそこで「炭坑節」が流れていたのね。仮に、江戸時代の設定だとするとこのときには炭坑節はまだ無いだろうなぁと思った。思った、んだけども!盆踊りのシーンに炭坑節流れるのは良いよね!やっぱり盆踊りといえば炭坑節ですよ。(どっちやねん)
こういう細かい日本的ディティールがよく出来ていた。そして、映画のストーリー的に「日本でなければならない理由」もあったと思っていてそれもとっても良かった。
そして2つめ。これはこの映画を素晴らしいものにしている最大の理由だと僕は思うんだけど、この映画はアニメではなく、「ストップモーションアニメ」というやつです。つまり、人形があってそれを少しずつ動かして撮影してまとめて流すと動いているように見える、というもの。いやぁこれがほんとーに素晴らしかったですね。
現代、アニメーションといえばそれはもうほとんど「CGアニメ」なんだろうと思う。僕はそのあたりあまり詳しくないんだけど。。ピクサーが「トイ・ストーリー」で史上初めて作った、コンピューター・グラフィックスによるアニメーションね。そりゃもちろん普通のセル画によるアニメーションと違って人手はそんなにかからないし、手で描くよりももっと豊かな表現がCGなら出来る。
だけど、結局のところCGはCG。物質として存在していないしどんなに素晴らしい絵であっても「ま、結局CGでしょ」と思ってしまう。
そんな時代にあえて古くからあるストップモーションアニメというのが素晴らしい。つまり何が違うかというと、この映画に出てくるKUBOやその他の登場人物は実際にこの世界に「人形として」存在する、ということです。我々人間はどんなに頑張ってもトイ・ストーリーの中に出てくるウッディを触ることは出来ない。だけどKUBOの場合、映画館を出て飛行機に乗ってサンフランシスコで乗り換えてポートランドに行ってこの映画を制作したスタジオであるライカというところに行けば、KUBOの人形に触ることは(理屈上は)出来る。あえてこの時代にストップモーションでアニメを作るということはこの「実在感」だろう。
最後に3点目。豪華声優陣。なにせシャーリーズ・セロン、マシュー・マコノヒーのアカデミー主演女優賞・男優賞コンビに加え、ルーニー・マーラ(お綺麗!)、レイフ・ファインズ(今のM!)ですよ。こりゃあ豪華だ。主人公のクボ役はアート・パーキンソンという僕は名前を知らなかった若い方だけど、とっても良かった。
何よりクボの台詞で良かったのは一番最初に出てきた「If you must blink, Do it now!」だったと思う。これは映画のほんとに最初の最初に出てくるからあまりネタバレにならないと思うのですが。。「もし瞬きをしたいなら、今のうちだぜ!」ってところだね。観終わったあとには「ああ、瞬きをせず、すべてをしっかり目に焼き付けておくべきだった」と思う。もしアカデミ賞に名台詞賞があったら僕はこの台詞を推すね。
本当に素晴らしい映画だと思うので機会があればぜひご覧頂きたい。
まず言っておきます。名作! 観る価値は確実にあると思うし、このジャンルにおいて確実に「レンガをひとつ積んだ」作品だと思う。もしよろしければぜひ。
このシーズンというのはクリスマス商戦直前だし、これからアカデミー賞レースが始まる、ということもあっていろんな作品が公開されている。今ならどの作品観ても楽しめると思うから、そういうタイミングである意味こういう「小品」は不利だろうけどそれでもね。
この作品の扱いもさー、2016年夏にアメリカで公開されたのが2017年11月にやっと日本で公開ってひどくない?とも思いますが、ま、観られるだけ感謝しないといけない。
どういう話かというと、クボと呼ばれる日本人の少年がいて、舞台は江戸時代くらいだろうねぇ、彼の冒険譚なんだけど、まずこの「日本が舞台」という話をハリウッドでやっているということが素晴らしい。もちろん、単に「日本を舞台にしてくれたわーいわーい」と言いたいわけじゃない。日本が舞台のハリウッド映画ならいくつもある。この「KUBO」が素晴らしいのは、日本を舞台に「ちゃんと」描いている、ということ。どうやったってハリウッドで描かれる「日本」というのはぜったいにどこかしら「いや、これ日本じゃないでしょ」と思うところがたびたびある。
例えば、ハリウッド版「ゴジラ」だと舞台は日本の「雀路羅市」(ジャンジラ市)だった。架空だとしてもそんな地名ありえないよね。「ウルヴァリン:SAMURAI」でも食卓のシーンが昔の小津安二郎映画に出てくるちゃぶ台使ってて「さすがにもう無いよ」と思った。まぁこれは監督が小津安二郎好きだから、ってのがあるかも知れないけど。。
そういう細かい点でこの「KUBO」はよく出来ていた。一個突っ込むと、町で盆踊りのシーンがあってそこで「炭坑節」が流れていたのね。仮に、江戸時代の設定だとするとこのときには炭坑節はまだ無いだろうなぁと思った。思った、んだけども!盆踊りのシーンに炭坑節流れるのは良いよね!やっぱり盆踊りといえば炭坑節ですよ。(どっちやねん)
こういう細かい日本的ディティールがよく出来ていた。そして、映画のストーリー的に「日本でなければならない理由」もあったと思っていてそれもとっても良かった。
そして2つめ。これはこの映画を素晴らしいものにしている最大の理由だと僕は思うんだけど、この映画はアニメではなく、「ストップモーションアニメ」というやつです。つまり、人形があってそれを少しずつ動かして撮影してまとめて流すと動いているように見える、というもの。いやぁこれがほんとーに素晴らしかったですね。
現代、アニメーションといえばそれはもうほとんど「CGアニメ」なんだろうと思う。僕はそのあたりあまり詳しくないんだけど。。ピクサーが「トイ・ストーリー」で史上初めて作った、コンピューター・グラフィックスによるアニメーションね。そりゃもちろん普通のセル画によるアニメーションと違って人手はそんなにかからないし、手で描くよりももっと豊かな表現がCGなら出来る。
だけど、結局のところCGはCG。物質として存在していないしどんなに素晴らしい絵であっても「ま、結局CGでしょ」と思ってしまう。
そんな時代にあえて古くからあるストップモーションアニメというのが素晴らしい。つまり何が違うかというと、この映画に出てくるKUBOやその他の登場人物は実際にこの世界に「人形として」存在する、ということです。我々人間はどんなに頑張ってもトイ・ストーリーの中に出てくるウッディを触ることは出来ない。だけどKUBOの場合、映画館を出て飛行機に乗ってサンフランシスコで乗り換えてポートランドに行ってこの映画を制作したスタジオであるライカというところに行けば、KUBOの人形に触ることは(理屈上は)出来る。あえてこの時代にストップモーションでアニメを作るということはこの「実在感」だろう。
最後に3点目。豪華声優陣。なにせシャーリーズ・セロン、マシュー・マコノヒーのアカデミー主演女優賞・男優賞コンビに加え、ルーニー・マーラ(お綺麗!)、レイフ・ファインズ(今のM!)ですよ。こりゃあ豪華だ。主人公のクボ役はアート・パーキンソンという僕は名前を知らなかった若い方だけど、とっても良かった。
何よりクボの台詞で良かったのは一番最初に出てきた「If you must blink, Do it now!」だったと思う。これは映画のほんとに最初の最初に出てくるからあまりネタバレにならないと思うのですが。。「もし瞬きをしたいなら、今のうちだぜ!」ってところだね。観終わったあとには「ああ、瞬きをせず、すべてをしっかり目に焼き付けておくべきだった」と思う。もしアカデミ賞に名台詞賞があったら僕はこの台詞を推すね。
本当に素晴らしい映画だと思うので機会があればぜひご覧頂きたい。
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