浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

ユーチューバーは本当に小学生のなりたい職業なのか?という素朴な疑問から。

2017-04-21 19:46:12 | ニュースから
最近、たまに図書館行って新聞各紙を読んでいる。いいよね、図書館は。静かで。

で、やっぱり新聞各紙ってのはそれぞれカラーがあって面白い。僕の個人的好みはまぁ置いておくとして、「あ、このニュース、こっちだとこうなのに、こっちはこうなんだ」と思うことが多々ある。それってね、「偏向」とは僕は思って無くて各紙それぞれの「事実の見方」ってことだろう。新聞だって「人」が書いている訳で、それぞれの人によって違いがあるのは仕方ないだろう。(多少、偏向があるってのも事実だろうけど)

そりゃもちろん、主要新聞各紙を自分で買って読むってのが正しいんだろうけど、なかなかそこまではね。。ということで図書館はいいです。

新聞読み比べについてはこの本が面白いよ。

芸人式新聞の読み方

で、新聞各紙の報道の仕方とつながるかどうかわからないけど、よくある「小学生がなりたい職業ランキング」について。

先日「小学生は夢いっぱい 男の子「スポーツ選手」/女の子「ケーキ・パン屋」」という記事があった。毎日新聞4月6日。新小学1年生男子2,000人女子2,000人に聞いたらしい。

僕はちょっと違和感があるんだけど、まず1位の「スポーツ選手」というのについて。単純にね、「将来何になりたい?」と聞いて「スポーツ選手」と答えた人はいないんじゃないだろうか、と思う。そりゃ「Jリーガー!」「プロ野球選手!」とか答えるなら分かる。だけど「スポーツ選手」とは言わないでしょう。もちろん中には「錦織選手みたいなテニス選手!」とか「羽生結弦選手みたいにフィギュアスケーター!」って人もいたかも知れない。なんかさ、こういうのザクッとまとめちゃっていいのかね?

だってさ、そこまとめちゃうなら「学校の先生!」「警察官!」「消防士さん!」という答えをザクッと「公務員」とまとめちゃえるし、「サラリーマン」というくくりだってアリ、ってことになってしまう。

この記事の中では本文で、スポーツ選手の内訳がサッカーが57.7%、野球選手が17.8%と書いてあるからまだ良いけどね。

で、この記事の中に「10位以内には入らなかったがYoutuberという回答もあった」とある。

そういえば、「Youtuberがなりたい職業3位に」という話もあったな、と思い出した。その時は、ずいぶん人気なもんだな、と思った覚えがあるけどこの調査では10位以内にも入っていないと書いてある。

あれ?っと思って元の調査結果、この新聞の記事ではクラレが調査してると書いてあるので、クラレのサイトをみたら元となった調査結果があった。→こちら(これをクラレ調査と呼ぶことにする)

男の子だけで見ると、Youtuberは20位にも入っていない。うーん、「10位以内には入らなかったがYoutuberという回答もあった」とだけ読むと、なんだか11位とか12位には入ってるのかな、と思っちゃうような気がする。これは確かに嘘ではないけどねぇ。。

もっと言うと、スポーツ選手が21.9%で内、サッカー選手が57.7%、野球が17.8%なんだから「スポーツ選手」というくくりではなくて「サッカー選手/野球選手」でちゃんとやればサッカー選手が12.6%、野球選手が3.8%となりそこをきちんと入れると、警察官(14.5%)が1位、サッカー選手が2位、野球選手が6位に入り、現6位の研究者は7位に、それ以降はひとつずつ下がる、ということになる。そうなればYoutuberは21位以内にも入ってないとも言える。ま、それ言い出すと現12位の「芸能人・歌手・モデル」ってのも「おい、くくりがデカすぎないかい?」と思うけど、それはいいや。

とにかく「Youtuberが3位」ってのはどこから来た話だい?と思うわけさ。

調べた。

検索すると出てきたのはこれまた毎日新聞(2016年3月22日)。(これを大阪小4調査と呼ぶことにする)

これによると「半年前に大阪府内のある小学校が調査した4年生男子の将来の夢」とのこと。うむー。何人に調査したものかは書いてないので分からない。でも「とある小学校の4年生男子」ということであれば1,000人は超えないだろう。1クラス上限が40人として半分男子で20人。3クラスあれば60人、5クラスあれば100人、そんなところかな。

ついでに、いま、大阪府立小学校のクラス数はどんなもんだろか、と大阪府の統計データを見てみる。大阪府の公立小学校全体で17,911学級(クラス)、公立小学校数1,013校。17,911クラスを1,013校で割ると17.6クラス、これがつまり6学年全体のクラス数だから、それを6で割ると2.9クラスということになる。つまり府立小学校の1学年は平均3クラス程度か、と考えられる。

そこで「Youtuberが3位」という結果はだいたい60人(1クラス40人の3クラス、半分が男子)に聞いた結果かな、と仮定してみる。あくまで仮定ね。

ここからは完全に憶測だし、僕の強引な論理なんだけど、仮に、クラレ調査と大阪小4調査のトップは奇しくも「サッカー選手」と「スポーツ選手」で似ているわけだから、どちらも1位は21.9%だったとする。つまりクラレ調査の1位「サッカー選手」は全体(2,000)の21.9%で438人、大阪小4調査の1位「サッカー選手」は約13人、と仮定する、ということね。

そのまま2位、3位、4位も同じパーセンテージと仮定すると、大阪小4調査2位は12.5%で7.5人、3位は8.6%で5.16人、4位は6.5%で3.9人。つまり、3位と4位の違いってまぁひとりかふたりなんじゃないのかな、と思う。

同じ学年の同じ男子60人中のひとりかふたりって結構すぐ変わるんじゃないの?と僕は思う。例えば仲良い3,4人の男子グループがいて、その一人が「Youtuber!」って言えば「じゃ俺もー」みたいなことになりそうな気がする。つまり仲良い男子グループが「俺もー」と言い出せば4位程度には入るくらいの調査なんではないだろうか。

もちろん数年前には「Youtuber」という職業すら無かったわけだからその言葉が出てくること自体は興味深いけど「Youtuberが小学生に大人気!」って訳じゃないんじゃないかなーと僕は思う。

なんでこんな事考えているかって?

ヒマなんですよ(笑)

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