浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

第92回アカデミー賞予想

2020-01-14 16:12:14 | DVD、映画
第92回アカデミー賞のノミネートが発表されましたね。前も書いたかも知れないけど、この「アカデミー賞」というのは「良い映画、優れた映画が獲る」とは限らない。そもそも良い映画・優れた映画とはなにか、って話にもなるしね。更に「一番稼いだ映画が獲る」とも限らない。

どういうことで決まっていくかということはなにか他の文献とかに当たって欲しいけど。おそらく近年の著書だとこれが参考になるんじゃないかな。

まだ発売されていないから僕も読んでない(予約はした)けど、この著者の方がラジオで話しているのを聞いたことがある。

アカデミー賞というのはアメリカの映画関係者、ざっくり言うとアカデミー会員(2006年時点で約5,000人)の投票によって決まる。終身制なので高齢化しているようだし、白人が多いとも言われている。(最近は変わっているのかも知れないけど)

だから傾向としては先進的なものよりは伝統的なものがとりやすいと言われているし、当然、見られてないと投票されないから小規模作品よりは大作のほうがとりやすいとも言われている。
あとはオールスターキャスト映画(いろんな俳優がたくさん出ている)だと、関係者が多くなるから票が増える。「友達が出てるから投票しようかな」みたいな感じで。
それから、前哨戦と言われるような各種映画祭、トロント映画祭、ゴールデングローブ賞などの結果によく悪くも左右される。

そんなこんなでアカデミー賞を予想する人たちがいる。僕もまぁ、何事も予想したほうが面白いという考えなので予想してみます。

現時点(1月14日)でアカデミー賞がらみの作品で僕が見てるのは「フォードVSフェラーリ」、「アイリッシュマン」「マリッジ・ストーリー」「ジョーカー」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」くらい。そもそも見てない人が言っているでまぁ与太話だと思っていただいて。

■作品賞
『フォードvsフェラーリ』
『アイリッシュマン』
『ジョジョ・ラビット』
『ジョーカー』
『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
『マリッジ・ストーリー』
『1917 命をかけた伝令』
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
『パラサイト 半地下の家族』

これは大混戦ですよね。毎年「まぁ、これとこれのどっちかかな」ってのはあるんですが。例えば昨年ならグリーンブック対ローマ、その前ならシェイプ・オブ・ウォーター対スリー・ビルボード、その前ならムーンライト対ラ・ラ・ランドって感じだった。でも今回はノミネート発表直後ってことを割り引いてもとにかくわからないですね。

わからなくなってる要素の一つが、Netflixの存在。そもそもネット配信番組を「映画」と認めるのかという議論だってまだ消えきってない。そんな中でなんとノミネート10作中2作がNetflix制作作品。これがどう出るか。

また、現時点ではおそらく興行収入ならトップクラスのジョーカーだけどこれはなんと言ってもアメコミ原作。アメコミ原作映画が作品賞にノミネートされたのだって去年のブラック・パンサーが初めてなわけでもし作品賞とると「アメコミ映画初受賞」ということになる。しかもなんたってジョーカー、つまり悪役が主役の映画ですからね。これはなかなかすごいことになってしまうだろう。
じゃあ他の作品はと見回しても「フォードVSフェラーリ」はレース映画で、レース映画で作品賞とった映画は今まで無い。パラサイトは韓国映画、そもそもこれは外国語映画賞ノミネートなんじゃないの?って感じ。英語ではないのに作品賞にノミネートしたのは昨年の「ROMA」が初めてですね。

ということで僕の予想。まず難しいのでとりあえず集団に分けてみます。

第1集団
『アイリッシュマン』
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
第2集団
『フォードVSフェラーリ』
『パラサイト 半地下の家族』
『ジョーカー』
第3集団
『ストーリー・オブ・マイライフ』
『ジョジョ・ラビット』
『マリッジ・ストーリー』
『1917命をかけた伝令』

こんな感じですね。
その上で予想は、もう僕の願望も含めて申し上げますが、下記です。

本命:ジョーカー/ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド/アイリッシュマン
大穴:パラサイト

本命に3本上げるなんて自分でもずるいと思いますが、まぁ今の時点ですので。
スコセッシ&デ・ニーロというハリウッドを代表する監督主演コンビに「お疲れ様」という意味で票が集まり、Netflixが初のオスカー獲得、となるか、これまた大功労者タランティーノが初受賞なるか、というところですね。
大穴は韓国映画パラサイト。

■監督賞
マーティン・スコセッシ 『アイリッシュマン』
トッド・フィリップス 『ジョーカー』
サム・メンデス 『1917 命をかけた伝令』
クエンティン・タランティーノ 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
ポン・ジュノ 『パラサイト 半地下の家族』

こちらはゴールデングローブ賞をとったサム・メンデスが本命。次の作品で引退すると言っている(ほんとかね)タランティーノが「今のうちに」という意味で対抗。韓国人であるポン・ジュノがとったらすごいことになると思うので大穴。

本命:サム・メンデス
対抗:クエンティン・タランティーノ
大穴:ポン・ジュノ

■主演男優賞
アントニオ・バンデラス 『ペイン・アンド・グローリー(英題) / Pain and Glory』
レオナルド・ディカプリオ 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
アダム・ドライヴァー 『マリッジ・ストーリー』
ホアキン・フェニックス 『ジョーカー』
ジョナサン・プライス 『2人のローマ教皇』

驚きはアントニオ・バンデラス。最近名前聞かないなぁと思っていたけど初の主演男優賞ノミネート良かったですね。

とはいえ、ジョーカーの評価が揺るがず大本命。ゴールデングローブ賞もとってますからね。過去7年連続でゴールデングローブ賞ドラマ部門主演男優賞がアカデミー賞でも主演男優賞とってます。対抗はアダム・ドライヴァー、まぁスターウォーズでもお疲れ様、とい意味で(てきとう)

本命:ホアキン・フェニックス
対抗:アダム・ドライヴァー

■主演女優賞
シンシア・エリヴォ 『ハリエット』
スカーレット・ヨハンソン 『マリッジ・ストーリー』
シアーシャ・ローナン 『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
シャーリーズ・セロン 『スキャンダル』
レネー・ゼルウィガー 『ジュディ 虹の彼方に』

主演女優賞は男優賞ほどゴールデングローブ賞とイコールじゃないので難しい。とはいえ、愛された女優ジュディ・ガーランドを演じたレネー・ゼルヴィガーが一歩リードだと思います。対抗はスカーレット・ヨハンソン。久々のノット・アベンジャーズ映画。

本命:レネー・ゼルヴィガー
対抗:スカーレット・ヨハンソン

■助演男優賞
トム・ハンクス 『ア・ビューティフル・デイ・イン・ザ・ネイバーフッド(原題) / A Beautiful Day in the Neighborhood』
アンソニー・ホプキンス 『2人のローマ教皇』
アル・パチーノ 『アイリッシュマン』
ジョー・ペシ 『アイリッシュマン』
ブラッド・ピット 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

これはもうブラッド・ピットで鉄板でしょう。ハリウッドでは非常に愛されているし、アル中間近で大変だったところからの復活でもあるし。これまでノミネートはあるけど獲得したことは無いのでこのあたりで、という感じもあると思う。対抗はもうこれ完全に僕好みでジョー・ペシ。そもそも映画出演自体が久しぶりだから頑張ってほしい。

本命:ブラッド・ピット
対抗:ジョー・ペシ

■助演女優賞
キャシー・ベイツ 『リチャード・ジュエル』
ローラ・ダーン 『マリッジ・ストーリー』
スカーレット・ヨハンソン 『ジョジョ・ラビット』
フローレンス・ピュー 『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
マーゴット・ロビー 『スキャンダル』

これはもうわからないなー。ゴールデングローブの結果を元にローラ・ダーン。いい役だったしね。対抗は、、うーん。スカーレット・ヨハンソンが主演女優を取らないとしてスカーレット・ヨハンソン。「ジョジョ・ラビット」にここで光を、という意味もあるだろう。

本命:ローラ・ダーン
対抗:スカーレット・ヨハンソン


今のところこんな感じです。発表は2月10日。それまでの情報で予想を変えるかも知れません~。