ミドリ色の屋根は永遠に~René Simardに首ったけ~

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小さな生命③

2006年10月04日 | 小さな生命
 前回に引き続き「小さな生命」に込めたルネの想いを「セブンティーン」の特集記事より紹介いたします。

♪前回までのお話(「小さな生命①②」)
http://green.ap.teacup.com/rene_simard/38.html
http://green.ap.teacup.com/rene_simard/39.html


     ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

symbol1願いをこめて『小さな生命』を歌いあげる
========ルネの胸に秘められた愛

涙でとけた雪ダルマ・・・・

 ルネのお祈りを、マリア様は、ききいれてくれたのか、オデットは1か月ほどで退院、パパもやがて回復して、一家に明るい笑い声があふれるようになった。
 ルネの下には、ジャン・ロジェという弟がいたが、さらに妹のナタリーが生まれた。
 ルネはすっかりケベックの人気者になり、いよいよプロの歌手としてスタートしようとしていた、2年半前の冬のことだった。
 ルネは、2歳半になったナタリーと、戸外で雪だるまを作って遊んでいた。
 パパが病気だったため、6年ぶりに生まれた妹として、ナタリーは、家じゅうのアイドルだった。なかでもルネとナタリーは仲よしだった。
 ナタリーは毎晩、ルネの歌う聖歌をききながら眠った。ナタリーが眠りかかると、ルネは、そっとナタリーのおでこにおやすみのキスをする。
 それでナタリーは、やっと安心したように、眠りにつくのだった。
 ルネのお手つだいをしようと、ナタリーが両手にいっぱい、雪をかかえたときだった。ナタリーはばったりと雪の中に倒れた。
「ナタリー、どうしたの?」
 ルネが、ナタリーをだきあげると、ナタリーのからだは火のように熱かった。
 そして吐く息もあらく、ナタリーはぐったりとしていた。
「ママ、ナタリーが・・・・」
 ルネの悲鳴で、ママがいそいでお医者をよんだ。
 診断は、悪性の風邪で肺炎を併発しているというものだった。
 ルネは、自分のうかつさを責めた。ナタリーを喜ばせようと考えてのことだったけれど、ちょっと気をつければ、ナタリーのからだのぐあいが悪いことに、気づいたはずだ。
 その夜、ルネはナタリーの病院につききりだった。
 ほんとうは、ナタリーの病室で、ナタリーを見守っていてやりたかったのだけど、それは許されなかった。
 ルネは、胸を不安にふるわせていた。ナタリーの部屋に、看護婦さんやお医者が忙しそうに出入りする。
 リンゲル液・・・・ふとい注射針・・・・そして、酸素ボンベまでが持ち込まれた。
 ルネの目にも、ナタリーがいま、重大な時機を迎えていることが、はっきりと読みとれた。
「今晩がヤマ・・・・」
とささやく、看護婦さんの小さな声も、入ってきた。

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