柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

病院一の受付嬢?

2010年12月11日 | お仕事
月に1回は持病の診察を受ける為に、大学病院に通っています。
検査窓口に、病院では珍しいほど年配の女性がいます。
髪は半分以上が白髪で、小柄な細身の方です。
この方の接客が実に見事なんです。
初対面から、興味深く拝見しています。

大学病院は、予約制なのですが非常に混んでいます。
特に検査室の前はいつも列ができます。

この方は当初、1人で窓口に立っていました。
「○○さん、待たせてごめんなさい。すみませんね」
この会話に、あら、お馴染みの患者さん?と思っていました。
でも、ほとんどの方にこのような口調で話しかけています。

少し待たせた時には
「悪いですね、こんなに待たせて」
久しぶりの方に
「具合はどうですか?良かったですね」

ほとんど全員に方に、語りかけて対応しています。
そう、語りかけているのです。

自分の職務を遂行するだけなら
「はい、次の方どうぞ」
「○○さんですね。この番号でお呼びします。お待ちください」で
済んでしまいます。

それでも、不快を感じる訳ではありません。
でも、この方の対応は混んでいても、腹立たしさを感じさせないのです。

数か月前から、中年の女性が一緒に窓口に立ち始めました。
はじめは窓口業務そのものでした。
そう気がきく対応は誰にでもできる訳はない、と思っていました。

今日、窓口の前で本を読んでいると
いつもの会話が聞こえてきます。
それも二通りの声がします。
目を向けると、先輩も後輩も同じような接客をしています。

そばにいる人の姿で学ぶのだな、と痛感しました。

人を育てる事は、まず身をもって教える事です。
また、学ぶ方も接客を受ける患者の様子を見て
自分達の仕事は、こうあるべきだと気がついたのだと思います。

この女性はかなりの年齢と思われます。
もしお辞めになったら、この病院は
患者の心をつかむ、凄腕のスタッフを失うことになりますね。

でも意外と、病院側はその事に気が付いていないかも知れませんね。
残念だな・・・・・