柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

橋爪謙一郎氏の「生きることをサポートするために」

2010年06月08日 | 悲しみのケア
グリーフサポート、エンバーミングの第一人者、橋爪謙一郎氏の新書
「お父さん『葬式はいらない』って言わないで」の発売記念トークイベントがありました。

第1部はご本人の講演です。
「生きることをサポートするために」

日本の葬儀社にグリーフケアを根付かせてのは、橋爪さんです。

遺族への癒し・・・という言い方が始まりだったと思います。

橋爪さんのおっしゃることを聞き
葬儀社の立ち上げを始めたばかりの私は、大きな衝撃を受けました。

まだ、何も解らずに
ただただ、遺族への優しさを葬儀の基礎に考えていたことが
どうやら、間違ってはいないのだ!と感じた瞬間です。

橋爪さんのセミナーがあるのを知って、
すぐに申し込みましたが、同時にご本人にも連絡を取りました。

少しでも直に話しが聞きたかったのです。

以外にもすぐに快諾いただいて
セミナー前にお目にかかることが出来ました。

それからは事あるごとに相談に行かせていただいてます。

まだ若い方ですが、その人間性の高さにいつも惹かれます。


講演は30分ほどの短い物でしたが橋爪さんの想いがほとばしっていました。

自分がアメリカでエンバーミングを学び、同時にグリーフサポートを学んだ。
アメリカではどんな小さな町でも、遺族を支えるサポートグループがある。
ところが日本には皆無。
絶対に必要!と帰国したが、それは仕事にはならない、そんなことでお金はもらえない
と、多くの人に拒絶された。

しかし、自分は遺族の為のグリーフサポートの会を始めた。
そこにはお金を払って、電車に乗って通ってくる人がいる。
お金を払ってでも、その場が必要という人がいる。

また、グリーフサポートを行なう人たちを育成する勉強会も始めた。
サポートをする側のサポートも必要になる。

今は頑張っている人が苦しむ時代
何も考えないで、言われた事だけやればいい・・・そんな時代

しかし、いま年間に3万人以上もの人が自殺をしている
先進国でこんな国はない。
1人死んで、その死を悲しみ、苦しむ人が3人いたとすれば
10万人近い人が、毎年苦しみぬいて、毎年増えていく。

オーストラリアは世界で一番、グリーフケアの質が高いところ。
その中心は葬儀社が担っている。

人と人の繋がりが希薄になってきてる。
生活の中に儀式が減少している。誕生日、記念日
そして葬式も同じ。

葬式をする意味が解らなくなっている。
直葬で、家族葬で、と問われているからやっているのではダメ。
葬式の意味を教えていないから・・・

家族をきちんと送るところから死を受け止めることが始まる

葬儀社、病院、行政、NPO、遺族などの死を直視している者同士が
どうやって繫がっていくかが大事。

ここに集まった方々はこの場を利用してどうぞつながりを作り
僕のグリーフサポート活動に手をかして欲しい!

こんな内容の熱いトークから始まりました。

その後、パネルディスカッション、懇親会と続きますが
また、続きはお知らせしたいと思います。


最近良く感じます。
葬儀の世界に限らないと思いますが
真剣に業界の先を見据えている人達は
目指す所が非常に近いのですね。