遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

キルリアン

2009年11月18日 12時45分16秒 | 読書
             キルリアン     藤沢周(著)2009年7月発行


   “キルリアン”ってなんだろう?

   生物には、生命の源となる『エネルギー体』があるそうだ。
   それを東洋では『気』と、西洋では『オーラ』と呼ぶ。
   長い間、科学者はこれらを信じなかった。それは立証する証拠がなかったから。
   しかしついに、ロシアの発明家二人のキルリアンが、『エネルギー体』の
   撮影に成功。
   人間の手からの“コロナ”放射も確認されている。
   これらの現象を“キルリアン”と呼ぶようになったらしい。
   本書の表紙の図のようなものが、キルリアン写真なのか?

   そんな肉眼では確認できない放電現象をオーラのようにきれいに映し出す
   キルリアン写真を子供の頃に目にした著者。
   その記憶が、本書に繋がったのだそうだ。

   50代の小説家『寒河江』が、古都鎌倉を舞台に、彼の記憶、幻想が混じり
   合う、無意識の世界を語る小宇宙。
   小説家を生業とする寒河江は、浴室に巨大な土蜘蛛が住み着くあばら家に
   暮らす。
   飲み屋で酔いつぶれ、いきずりの女と関係する、そんな生活を送る寒河江に
   故郷新潟の風景や鎌倉の寺の山門の記憶など、幻か現実かわからなぬ情景が
   浮かんでは消える。
   特にストーリーらしきものはなく、ひたすら寒河江が無意識の世界を
   さまよう様子が描かれている。
   大きな土蜘蛛などが出てくるので、何かが起こるのか?と期待し、裏切られる。
   面白いといえば面白くもあるし、、、う~む、、、。
   あとは好みの問題だろう。

   どういうわけか、私は寒河江よりも、闇の中、山門に佇む寒河江と話す
   禅寺の老師の
   「・・・あの若者達は、結婚せんのだよ・・・」と本の始めの方と最後に
   繰り返し嘆く言葉と、
   「・・・まあ、気をつけなされや。どうにも、闇の中にいると・・・
   いろんなもんが見えてきて・・・捕まってしまうのでな。
   そういう時は、寝るに限る」
   という言葉が印象に残ってしまった・・・。

     わがまま母

   
   
   
  
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