契り橋 あきない世傳 金と銀 特別巻 上
高田郁(著)2023年8月発行
『あきない世傳 金と銀』シリーズが数年前に完結し、ガッカリしていたところ、
昨年『特別編』が出版されていたと気づいたのが、迂闊にもつい最近のこと、、、。
もちろん、喜んで一気読み。で、読み終えたら、もうすでに下巻も出ているでは
ないですか〜、、、。すっかり油断していた自分を悔やむも、致し方なし。
遅まきながら、これから下巻を読みます。
特別編 上巻では、シリーズの主人公ではなく、脇を固めた登場人物たちの心模様
が、細やかに描かれていました。
シリーズで、例えば、五十鈴屋の惣次(「幸」の二番目の旦那さん)が、何故、
どういう経緯で江戸の両替商「井筒屋 三代目 保晴」として登場することに
なったのか・・・。個人的には疑問に思っていた件でしたが、これが第一話と
して描かれていました。
特別編も、相変わらず期待に違わぬ、人間の矜持、情、優しさが描かれており
楽しく読みました。
わがまま母
— 角川 本書内容紹介文 —
シリーズを彩ったさまざまな登場人物たちのうち、四人を各編の主役に据えた短編集。
五鈴屋を出奔した惣次が、如何にして井筒屋三代目保晴となったのかを描いた「風を抱く」。
生真面目な佐助の、恋の今昔に纏わる「はた結び」。
老いを自覚し、どう生きるか悩むお竹の「百代の過客」。
あのひとに対する、賢輔の長きに亘る秘めた想いの行方を描く「契り橋」。
商い一筋、ひたむきに懸命に生きてきたひとびとの、切なくとも幸せに至る物語の開幕。
まずは上巻の登場です!