さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

最も望ましくない形で 井上尚弥次戦、PPV配信に

2021-11-19 00:17:44 | 井上尚弥



こんな噂があるらしい、と又聞きはしていたんですが、まさか、というのが率直な感想です。
井上尚弥、アラン・ディパエン戦、フジテレビでは生中継なし。
ひかりTVとAbemaでPPV方式のライブ配信、料金は記事によるとどちらも同じで、3960円、とのこと。


...どこから突っ込んで良いのか迷います。「正気か?」というのが、一番最初に頭に浮かんだ言葉です。


何よりもまず、カードが弱い。もちろん諸事情ありましょうが、結果として統一戦はおろか、上位陣でもなく、さりとて中堅と言うにも及ばない格下相手。
本人の言葉をあげつらうのは気が引けますが「調整試合」というのがぴったり。
ファイティング原田の時代なら、間違いなくノンタイトル戦として行われていた試合です。


まあ、それを世界戦として組むのは、ひとまず良しとしましょう。時代が違えば事情も違います。
しかし、井上尚弥というボクサー単品の価値以外、何も特別な「売り」がない、言えば高くは買えないカードを、よりもよって彼のキャリア初の国内PPVにしてしまうというのは「今」の事情にもまったく、かなうものではありません。

このような矛盾をものともしない?主催者の鈍感ぶりには、もはや呆れるほかありません。
そして、あまりにも感覚が古いことも、また。


おそらくですが、カードの弱さに反して、大橋ジムないしは井上陣営の要求が高く、それにTV局が応え得なかったから、こういう話になったのでしょう。
大橋ジムが井上陣営の要望に応えるグレードのカードを組めなかった、という意味では、責任は大橋ジムにありますが、傍目から見れば、このカードしか実現しなかった以上、条件面の調整はならなかったのか、と思いますが...。

結果、TV局が買わないカードを、オンデマンド配信に逃がす、という、過去にも何回かあった、実りなく、話にもならない構図が、人もあろうに、井上尚弥の試合で実現してしまった。
何と馬鹿馬鹿しく、間の抜けた話か。もはや溜息も出ません。


もしこれが、絶対無いでしょうが井岡一翔戦であるとか、ドネアにカシメロ、或いは他の世界的有名選手との試合というなら、まだわかります。
というか、むしろ、そのようなカードを組んだ上で、PPVライブ配信の世界へ、華々しく躍り出てくれ、と心から願っていたくらいです。
しかし実際には「これだけはやってくれるな」と思う方向で、井上尚弥初の国内PPVが実現「してしまい」ました。


まあ、話の前後や食い違いは色々あったんでしょう。
今回のカードが、勝敗を心配するようなものではない、という前提で「テストパターン」としては悪くないものだ、という見方も、あるのかもしれません。


ただ、先のゴロフキン、村田戦のAmazonプライムと比べ、あまりに規模が小さく、普及の度合いも低いプラットフォームで、しかも芸能人だかYouTuberだかがゲストに出ると。
おそらく、専門性が低く、迎合度は高い、ある意味従来の地上波TV局以上に「これじゃない」番組作りがなされそうな雰囲気でもあります。
カードの良し悪し以前に、そんな連中の顔や声を見聞きせなならん、そのためにPPVの視聴料金を払えというのか、という、半ば怒りにも似た気持ちさえ抱いてしまいます。


日本におけるDAZNが、一番注力しているサッカーの配信などを見ていると、周辺番組の一部にはそういうテイストのものもあるようですが、基本的には、サッカー自体に通暁したアナウンサー、ジャーナリストが番組の柱として起用され、しっかりしたものを日々、制作して配信しています。

しかしボクシングはというと、よりによって井上尚弥の試合が以下同文、というのが現実です。
まあ、こういうことも起こり得るのか、と思って諦めるしかないんでしょう。
とはいえ、よりにもよって井上尚弥の試合で「こんなこと」が起こってしまうのか、と思うと...本当に、ただただ情けない、ですね。



コメント (11)
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