さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

共に苦境あり、共に堪えて、技術の差が残った 李健太、藤田炎村を振り切り日本王者に

2024-04-11 00:06:41 | 関東ボクシング



ということで火曜日のFODプレミアム、感想続きです。

メインは日本スーパーライト級タイトルマッチ、藤田炎村vs李健太。
大学からボクシングを始めた藤田。
アマチュア102勝10敗、62連勝の記録を残すアマエリート李。
スイッチヒットのファイターと、技巧の長身サウスポー。いろいろと興味深い組み合わせでした。


初回、藤田は右ボディ。下狙い。しかり李も左リターン、追加のヒット。
2回、藤田の右ボディ入り、上にも右ヒット。李は足で捌きにかかる。この回、李にボディのダメージあるかと見えたが、上手く隠した。
3回、バッティングで李の右瞼カット。再開後、藤田が圧す。斬るような左ボディ好打も、李がボディ連打で返す。
終盤李の右ボディ。ローブローもあったが、後続打は正当か。藤田も苦しい?


立ち上がりから藤田が厳しく圧していき、李は巧みに当てて捌くのが基本。
しかし両者、ボディへの好打があり、ダメージは早々にあったように。そして共に、それを上手く隠して闘っているようにも。
加えて、藤田の方は捌かれてインサイドから正確に当てられている。李はというと、バッティングによる出血があり、頭から来る藤田の闘い方は嫌なはず。

序盤から、それぞれが目指す勝ち筋と、抱える苦しみがはっきりと見える。世に言う「消耗戦」の様相。


4回藤田出るが、李の左ボディアッパーお迎え。ラスト10秒、李が打ち勝つ。
5回、藤田が頭を振ってボディから上へ返す攻撃。李は外す場面もあり、ワンツー返すが、藤田の攻勢がまさるか。
途中採点、4対1×3で李。

6回、リードした李に余裕。足使ってジャブ。藤田、ガード下げて出るが、スピードで劣る。
7回、疲れかダメージか、動きが鈍りだした藤田、頭を低くして出る。李が左フックカウンター。藤田、ダメージありか。
しかし終盤、李の右アッパーを打たれた藤田、右フック、左クロスから猛攻。また李も返すが、藤田の回。藤田のベストラウンド。

8回、勢いを得た藤田が出るが、両者頭が当たってからの打ち合い、という繰り返し。レフェリー見かねて両者に注意。
これは藤田に幸いしなかった感あり。少し出足が鈍る。前にのめらないようにしつつ、攻めて出るバランスを取れる状態ではなかったか。
対する李は、出てくる藤田に対し、首振ってパンチの芯を外し、打ち返す余裕が戻ってきた。

9回、両者疲弊したまま打ち合う。李も疲れてクリンチを繰り返すが、打ち合いで右フック。これが藤田のこめかみをかすめ、藤田が一瞬止まる。
最終回、藤田は奮起し、左右を振って攻めるが、李がインサイドから多彩な連打を当て返し、ゴング。

判定は7対3で三者揃い、李が王座奪取となりました。まず納得の結果でしょう。


試合としてはセミ同様、両者の持ち味が出て、共に苦しい展開ではあったものの、それを両者が堪えて凌いで闘った末に、技術でまさる李が勝ち残った、というものに見えました。

インサイドにアッパー込みで、正確な連打が打て、防御でもボディから上の攻撃を受けたものの、かなう限り追撃は躱し、芯を外していた。
李健太、アマチュア時代に抜きん出た実績を残した実力が、プロの日本タイトルレベルでも秀でている、という証明をした一戦でした。

敗れた藤田炎村もまた、アタマがかちんと当たってからの攻防になってしまった終盤は良くなかったですが、果敢な攻撃の数々は見応えアリ。
今回は捌く巧さを持つ相手だったので、いつもの、相手を引き込んでスイッチしての右フックで叩く技を出す展開が無かったのは残念。
簡単に言えば、苦手なタイプ、だったということでしょうか。



アンダーの磯谷大心、松野晃汰の再戦は、共に生き残りを賭けた一戦でしたが、磯谷が二度ダウン奪って判定勝ち。
山口仁也と長嶺竜久の一戦もダウン応酬の熱戦となり、体格でまさる山口が判定勝ち。
共に見応えありな一戦で、場内盛況の興行に相応しい内容でした。



しかしダブルタイトルとはいえ、全6試合で22時終了はなかなか厳しい、と会場に行っていた方からは泣きが入っていました(笑)。
確かにこういうラインナップは良いものだし、実力伯仲なればこそ簡単にKOにならないわけですが。
これが遠方からの、私のような者ならどうせ一泊するから関係ない、かかってこんかい、と居直れるんですが(笑)都内や首都圏在住の方ほど大変だったりします。
やはり、アンダー出場の選手には酷な面もあるにせよ、夕方、17時から開始、くらいで丁度良いんでは、と思うところ、ですね。


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