さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

ややこしそうな奴やな、と思っていたが 重岡銀次朗、初挑戦は無効試合

2023-01-08 00:13:10 | 関西ボクシング


金曜日の感想文、続きですが、セミの終わり方は、本当に酷いものでした。

ダニエル・バラダレスは、要所では右のフック好打もあったりしたものの、始まってすぐに見せた「アタマさん」ぶりを見て、ああやっぱり、こういう感じかあ、と嫌な気持ちになりました。


ボクサーというもの、普通は左打って、次は右を打ちますが、左にアタマがついていったり、右の前にアタマが出たり。同時だったり。
単に対サウスポーで、背丈や構え、行くときの姿勢、その高低が合うの合わんの、というんではない、意図したアタマの「運び」。
もちろん、それを嫌がらせに使ってパンチを狙うことを、ルール上咎めることは出来ませんが、それに収まらず、早々にぶつけてたりする。

しかし重岡銀次朗、スタートはえらく力んでたものの、怯むことなく構え、じわじわ出て、徐々に動きもほぐれてくる。
2回に右ヒットを喫したものの、左ボディが再三決まり、なおかつ打った後のバックステップも速い。
これがあるから、顔をさらして正面から左のボディブローが打てる。
さらに、ボディのヒットに加え、左ショートが上にも当たりだす。
これなら中盤以降、確実にヤマが作れそう、と思った3回、試合が終わりました。


スローを見るまでもなく、自分でアタマ下げてぶつけて、相手を怯ませたバラダレスの方が、頭痛を訴えて続行不可能とは、いくら何でも...こんなことがまかり通るのか、と、腹が立つよりも驚いた、唖然とした、というところです。
スローリプレイは試合の裁定に影響しないルールだった、とのことですが、そんなもの見るまでもないだろう、レフェリー何見てたんだ、という話です。

さらにいうと、あの程度の接触の仕方で、頭痛がし、目眩を起こすような状態なら、そのような者を、プロボクシングのリングに上げて良いのでしょうか?
頭部に何らかの障害があるんではないか、と心配になっちゃいますね。



ま、そんな皮肉はさておいて。
重岡銀次朗の世界挑戦が云々されるようになった頃、WBAとWBCの、タイ人王者どちらかを、日本に招聘出来ないものかなあ、と思っていました。
IBF王者バラダレスについて、試合映像は見たことがなかったですが、聞けば前の試合、グローブのテープが剥がれたことを理由に、相手が減点されるという、あまり聞かない事態があり、それが僅差判定に影響したとかいう話でした。
メキシカン贔屓の裁定といえばWBCのお家芸ですが、この選手の陣営、関係者の中に、IBFと変なコネのある者がいるんじゃないか、と想像した次第です。
何か、色々ややこしそうな奴やなあ、と。さすがに今回のような、想像を絶する事態を予見したわけではないですが。


そして、今回の裁定も、その延長線上にある話なんじゃないか、と思ったりもします。

レフェリーもスーパーバイザーも、間近で何が起こったか見ていた。
JBCのコミッションドクターが、続行不可能を進言したというわけでもないようですし。
そもそもバラダレス本人が、先日の赤穂亮のように、足が立たずふらふら、という状態でもなく、自分の足で立ったまま泣き言を言い続けている。

でも本人が頭痛い、やれないと言った。
それだけの理由で試合を無効にするわけですから...ルール通りの裁定であることは仕方ない、と思う反面、その運用、判断の基準が異常だ、と思います。
そして、日本のコミッションも、プロモーターも、もっと厳しく意見したり、強硬に抗議するべきじゃないかと思ったのですが、割とすんなり引き下がった印象です。奇異に感じるところです。


で、早速というか、4月16日に再戦という話が出ています。
頭部にダメージを訴え、試合を打ち切った選手の状態を脇に置いて、診断書なども公に出ないまま(そもそも、病院で診察を受けたかどうかも不明)こんな話が出ること自体が異常ですが...。

いずれにせよ、こんな詐欺みたいな真似をする者を、二度も日本に呼んで稼がせてやる必要はありません。
さらに言うなら、こういう者は事実上、日本のボクシングビジネスから「パージ」するべきです。悪しき前例を残さぬために。


そして、前記事にいただいたコメントのとおり、重岡が挑む先は、真に王者と言えるWBOチャンピオン、メルビン・ジェルサエムであっても良いと思います。
しかし、現実がどのように動くかというと...まあ、ここから先は、時が答えを出すのを待つしかありません。
その過程で、色々と見えてくるものがあることでしょう。

コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 好調さが仇になったか 谷口... | トップ | 不調な方かと思うが、でも強... »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (アラフォーファン)
2023-01-08 07:30:42
前に書いた通りです。こいつはプロにあらざる者。おっしゃる通り頭を自分からぶつけに行き、額と顎のぶつかりなら普通重岡くんの方が痛い。でこれかよと。
また観客の見てる前でメソメソと。最低限プロのボクサーとしての矜持すらないこのクズは即タイトル剥奪。裁定覆って欲しいです。
だいたい試合中にも何度も頭ぶつけに行っているのはあやつ、しかしレフリーは重岡くんにばかり注意。おかしいでしょう。最初からあやつが防衛できる仕組みだったのかと疑いたくなります。ちょいリプレイ見たら分かるだろうに。
再戦したらいい問題じゃない。こいつは次体重守るのか?
薬物は?全く信頼できないので棄権KO負け。重岡くん新チャンピオン。あやつはしばらく資格停止が本筋ですが、そうならないんでしょうね。ボクシングの嫌な部分見ました。

まったく! ただあんなのメキシコやIBFが守るほど価値ありますか?今回の件でポイ捨てでも文句なしでしょう
返信する
Unknown (宇弓)
2023-01-08 07:42:50
…て言うか、
んまあそら言いたいことは、ナベ会長さんに負けないくらいこっちもいろいろありますが(悶爆、

でもちょっと思うのは、
そもそもバッティングで試合中止って、カットして出血が止まらないとか、
明らかにはれ上がって視界がふさがれたとかの、第三者が見て分かるアクシデントが起きた時で、
そんな頭痛いですとか、本人にしかわかりようのないことで止められることってありましたっけ??

だって顔面殴り合ってる競技なんだから、
なら頭痛いってのも、バッティングが問題かどうかなんてわからないし、
その前にパンチで打たれてのダメージかもしれないいしで、
それがどうかの判別なんてできんの??
・・・てか、第三者には見えない以上、
頭痛~~い☆って言ってんのも、言ってる本人以外は誰も分かんないし(悶笑

だから、
自分が頭痛くてやめたいのは自由ですが、なら棄権負けを認めてやめろよって話で、
そんな第三者が誰も判別できないことを、選手側の自己申告で勝手に試合終わらせてたんじゃ、
もはや競技とか維持できないでしょって話で、

いやだから、なんか日本側は強行に再戦を要求してるみたいですが、
いやその前に、
まずはこんな裁定おかしいから、相手の失格負けで重岡銀の勝ちに覆してくれよと、
ダメもとで強硬に主張するのが先なんじゃないのかなあと⦅憤悶
返信する
Unknown (海の猫)
2023-01-08 12:36:10
自分もただただ唖然でした。こんなの他の選手も真似しだしたらと思いましたが、もともとIBFとの繋がりが疑われる選手なのですか。普通は通らない、と思っていいのでしょうかね。

出来ればタイトル剥奪、重岡は他の選手と王座決定戦、またはおっしゃる様にジェルサエムに挑戦となって欲しいですが、再戦濃厚なのでしょうね。自分もこんな選手と二度と関わるべきではないと思います。次も何するか分かりませんし。

ただ困ったことに、興業主からしたら最も注目を集められるのは、この相手との再戦なのですよね。そして、こういう輩とは「リング上で決着つけろ」というファンも少なくない。ネリの時もそうで、そういう声がこの手の選手を稼がせてしまう。そもそもボクシングで負けたわけではありませんから、その後始末を選手にさせるべきではない、と思います。リング外で済ませるべき。

JBCが招聘禁止に出来ればいいのですが、その場合ファン含めあちこちから批判や反発が出てくるでしょうね。他で挑戦出来る保証もないですし。ネリの時のように取り返しがつかない事が起きてからでは遅く、再戦で勝てばいいという話でもないのになあと。
返信する
Unknown (月庵)
2023-01-08 13:19:00
アメリカの世界戦でごく稀に、傍目からは続けられるだろうと見える状況で、理由はどうあれやれないと選手が何分にも渡ってゴネるという事例はありましたが、その場合基本的に棄権負け。その前例に則れば本来なら同じく棄権負けが妥当な裁定だろうと思います。バッティングという「体裁」が加わったから形式上ああいう話になっただけで。

重岡陣営は相手のバッティング癖を把握していて、かなう限りそれを回避しようとしていただけにあれ以上何をどうしようもない。おっしゃる通りパージするのが本来一番あるべき話で、筋論で言えば王座剥奪の上で重岡と指名挑戦者レネ・マーク・クアルトで王座決定戦を指示する、という流れがあるべきでしょう。それがこういう再戦ありきの訳の分からない話になるのは、それこそ『変なコネ』があると受け取られても仕方がない。

ネリーの時もそうでしたが、日本という国は(軽量級では特に)金払いがよく少し脅しつければ簡単に引き下がる、と統括団体やら海外のプロモーターやらに見られているのではと思えてなりません。アメリカのような放っておいても勝手に選手が集まる開かれた魅力的市場とは言い難い訳で……。
返信する
Unknown (Neo)
2023-01-08 13:51:32
カシメロ、赤穂戦に続き、ボクシングの裁定の明文化の難しさが出ましたね。公正さを叶う限り担保するならリアルタイムでのビデオ併用判定しかないかなと思いますが、ボクシングも格闘技なので、故大山総裁の如く、あの顔した奴は負け!でもいい気がしますね。
重岡は可哀想でしたが、井上尚弥の高みを目指すという本人の言を踏まえれば、間合いを含めたボクシングの造りをもう一段工夫する懸け替えの無い機会と前向きに捉えることも出来るかもですね。
返信する
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2023-01-08 17:13:31
>アラフォーファンさん

いやもう、こんな奴がチャンピオンか、ボクサーか、と思うと...今まで、そりゃ、いろんなの見てきましたけど、仮にもチャンピオンとついてコレか、という意味では前代未聞じゃないですかね。そりゃ、無冠の噛ませさんについてたら、いくらでも笑い話は尽きませんが。
裁定、覆すべきだと思いますが、あの裁定が出るということは、そういうことなんだろう、としか言えません。
再戦するにしても、色々問題起こしそうで怖いですね。メキシカンであることも含め。
守る価値、というのは広い意味では無いでしょうが、当人たちは少しでも余計に稼ぎたい、というだけの話でしょうね。身内の論理、その究極でしょう。


>宇弓さん

ルールとしては、バッティングで続行不可能、4回終わってないからドロー、というのはその通りです。しかし実際どうか、って話で、そんなこと起こってないやろう、と。しかしリプレイ見ないルール、選手がそう言って、レフェリーも「そうやったね」と認めた。そういう流れですね。例えばローブローで立てず、とか、頭突きで伸びてしもうて立てず、とか、そういう場合と同じ、なんでしょう。しかし...。
再戦に関しては、あれこれ主張するのもそこそこに話まとめにかかった感じでさえありますね。この辺はもう、同じ話ばっかりですが、マネージャーとプロモートの権益がごっちゃになっているが故の「異様」です。再戦組めば、一度では無く二度興行が出来、二倍儲かるわけですからね。儲かるかどうかは怪しいにしても、この世界、タイトルマッチを多くやれば、それが実績となり、箔が付くという面もありましょうしね。我々からすれば、死ぬほどどうでもいい話ではあるんですが。


>海の猫さん

IBFとの件については、何の情報もない、純然たる私個人の邪推です(笑)。でも、あまり聞かない妙な話やなあ、と思ったので。
でも、今回の件はさすがに、そういう枠からさらに飛び出した、ウルトラ級のすっぽ抜けですが。
再戦に関してはもう半ば決定事項ぽいですね。バラダレス、あのくらいで試合出来ないのなら、次、重岡にマトモに打たれたら、アタマ真っ二つに割れてしまうんちゃうやろか、と今から心配でなりませんね。
ネリーの件とも、ある意味通じる話ではありますね。私も同感ですが、現実はもう、そちらに向いて走り出しているのでしょう。JBCの招聘禁止に関しては、バラダレスどころかネリーの処分についても、どうなるか知れたものではないと思っています。


>月庵さん

普通に本人が棄権、TKOで終わるべきだと、同感です。しかしそうならなかった理由は奈辺にありや、です。
昔の話ばかりで恐縮ですが、バッティングで甚大なダメージを受けても試合を続けて負けた六車卓也のような人からすれば、考えられないことでしょうね。逆にあれは、本人がやると言っても周りが止めて、防衛させねばならなかった事例かもしれませんが。
もしTKOで終わらないなら、仰る通り王座空位、決定戦というのが最善でしょうね。そうなっても良いと思いますが、しかるにバラダレスの身分を保全することにのみ、話のベクトルが向いているように思えます。そして「再戦」も、その延長線上にある話ではないのか、と...うがち過ぎでしょうかね。
ネリーの件にも、そのような面で通じますね。同感です。ただ軽量級マーケットとしての日本、という側面は同じでも、WBOはまた、違う方向からアプローチしているように思いますね。もしこの試合がWBOタイトルだったら、重岡に有利な裁定をした上で、指名試合と再戦を決めたんではないか、と想像しますが...。


>Neoさん

空手の裁定って、そんなダイナミックなものがあるのですか(笑)。凄いですね(笑)。
基本的に、リプレイ映像見て検証するパターン、あって良いと思います。今回のような事例は、そんなもの持ち出すまでもないだろうに、という意味で腹が立ちますが。
重岡の闘いぶりは、今回の不運とは別に分けて見てあげたいですね。確かに立ち上がり、力んで硬く、無理してたところを打たれたのは事実ですが、だからといって「あんな事になる前に、初回か2回で倒しておけば」なんて言えませんしね。
返信する

コメントを投稿

関西ボクシング」カテゴリの最新記事