そんなことでもう今日は、DAZNでニック・ボールvsTJドヘニーという、日本のボクシングファンにも関心ありな試合が配信されております。
見ていないんですが、結果と、何か変な事が起こったという話だけ先に知ってしまって、まあええかなー、という気分ではありますね。
気が向いたら後日見るとしよ、というところで、両国感想文残りです。
岩田翔吉はレネ・サンティアゴに判定負けで防衛ならず、陥落。
会場で見ていると、昔ながらの攻勢点と強振を最大限に採る(←この時点でもうおかしいですが)のなら岩田、厳密にヒットを数えればサンディアゴ...なのかな?という風に見え、私は前者の採点に「なっている」のだろう、と勝手に思い込んでいました。
ですんで、採点のコールを聞いて、ちょっとびっくりした次第です。そりゃ、一切の「余計」を排して採点すればこうなるのかもしれないが、そんなことが実際にあるのか、という意味で。
試合内容については、体格からして大きく、強打の威力では上だが、正確に捉えるための「前段」に不足あり、という岩田が、巧いことは巧いが、どうにも力感のないサンティアゴを追う、という展開に終始。
岩田は飛び込みアッパーやボディブローの威力はあるのだが、それを決めるために、ジャブは元より、軽いパンチを散らして相手の行く手を塞いだり、包囲網を敷く、という技を持っていないので、サンティアゴの巧さが要所で映える印象でした。
岩田翔吉の今後、どういう展望があり得るものか。結果は当然のこと、内容的にも厳しい陥落だった、と言わざるを得ません。
フライ級に上げて、強打狙い一辺倒から、それ以外の動きも含めて試合を展開出来るように改善をして、国内シーンの上位対決からやり直せるか、というところでしょうか。
少なくとも、世界世界というには、見る方としてもきついです。これが昭和末期や平成初期の日本ボクシングなら話は違いますが、今はもう...率直にそう思います。
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本邦初のアマチュア世界選手権優勝者(同大会で岡澤セオンも優勝してますね)、全日本4連覇の坪井智也、プロデビュー戦は2回TKO勝ち。
相手のプーンルエン・ファヨンは14勝(14KO)3敗(3KO)という、華々しい戦績。ジャッジ要らずの男前、ですね。
しかし坪井の速いコンビで打ち込まれ、2回に二度ダウンしてTKO。坪井が巧いといえばそうでしょうが、あまり目を引くものはなし。
少なくともこれで、やれ4戦目で世界だとかそういう話ではないですね。しかしホントに、判で押したように言いますね。言わないかんみたいに。
4戦目で獲れるということは、4戦目で獲れてしまうようなものでしかない、と言いふらして回っているようなもの、なのに。もう良いです。止めてください。馬鹿みたいですよ。
それはおいといて、坪井は今後、スーパーフライかバンタムか、どちらかで闘うことになりそうです。
アマチュア歴や所属を考えるに、独自路線てやつを走るのかもしれません。しかし、どちらの階級も国内シーンからして、良い選手がいるんだがら、そういう相手と組んでほしいですね。
今回のデビュー戦からしてそうですが、やれ国内ランカーに声かけたけど避けられた、断られた、みたいに言いますが、ホンマにそんな、誰一人として「オレやります」と言う者がいないものですかね。
どうせ、碌な条件出してないとか、関係者同士でむにゃむにゃ、とやっているだけじゃないのか、と。
そんなわけないやろう、そんな根性でプロボクサーやってられるか?と思うんですけどね。
凄いアマチュア歴があり(世界チャンピオンですからね)、所属も帝拳とくれば、逆に普通よりも険しい道を征き、それを勝ち抜いて見せてほしいです。
それが真の、アマチュアエリートの誇りってものだろう、と思ったりもしますね。坪井本人はどんな試合だろうが、どんと来い、でしょうし。
負けた後のインタビューで、「効いたパンチなかったし、これで(相手の)勝ちになるんだ」という発言にますますガッカリしました。結局戴冠試合は手の合う相手だっただけ。
ゴンザレスに負けた反省ゼロだなと。
多分マインド変えなきゃ何回やろうと同じでしょう。それくらい今後に明るい展望抱けない負けっぷりでした
その次の京口が自分の戦術のリスク含めて結果の全てを受け入れる潔さを示したのと合わせて彼の戦後コメントを見ると、本当に実力・試合内容と同じくらい落差が激しいというか……あなたそれでもアマチュア経験者ですか? と言わざるを得ないというか……見ていた側から言わせればあなたこそこれで勝ちになると思っていたんですか、としか言いようがなく。これはもう情緒そのものが、ボクシングは打ち合う『べき』ものであってそれ以外は認めない、という風に凝り固まってしまっているのだろうなと。現代生まれの、それもそれなりに名を成したボクサーでSWEET SCIENCEという概念にこれほど背を向ける者がいるとは思いませんでした。しかも先の敗戦と同じく相手が打ち合わせてくれても普通に精度の差で負けていますからね。
そしてそういう者に曲がりなりにも『世界』の名がつく肩書を与えた帝拳の政治力と目利きにも、ある意味感心させられますね。この選手の伸びしろという意味では明確にマイナスでも、キャリア構築期に矢吹正道と決してやらせなかったのは慧眼だったと言わざるを得ない。そもそもこんなメンタリティの選手に本当の意味での伸びしろなどないし、無駄な敗戦を喫する余裕などない、という冷酷な見切りがなければ出来ないことです。さうぽんさんは岩田について「別に期待しているわけではなく義理で仕方なく世界路線を歩ませている類の選手なのではないか」と推測していましたが、本当にそういう類の存在なのかもしれません。そうでなくとも「ちゃんと」アウトボクシング出来る相手に2戦続けて惨敗しているようでは、最早推される理由も守られる理由もないでしょうね。恐らくこれからは本当に期待しているであろう高見享介の方にその労力は割り振られるのでしょう。それこそ仇討ちと銘打ってサンティアゴからベルトを『回収』する役回りが巡ってきたとて何も不思議はありません。新王者の査定はその程度のものだと思っています。
坪井に関しては今回の相手だけでは何ともですが、本田会長が歴代帝拳の最高の逸材というようにアマ実績がブラフでは無い実力の持ち主なのだとは思います
しかし、ロマチェンコなどを引き合いに出して最速戴冠を煽り、同等のレベルの選手かのような過大広告はやめて欲しいです。もちろん政治力を使って最速戴冠ができる可能性がある選手かもしれませんが、アマチュア実績に限ればロマチェンコ、リゴンドーのような連覇組と一度の世界大会(五輪or世界選手権)の金では、プロで言えばpfp組と一介の王者くらい、またはそれ以上の差があったはずです(だからこそロベイシが海外であれだけ期待された存在だった訳ですし)
そこを捻じ曲げて広告、過大評価されるとちょっとなあと思ってしまいます。そこが気になるだけで、もちろん過去日本最高クラスのアマ実績を持つ選手であることには変わりないので十二分に期待してます
あーなるほど、そういう時代の試合に似ていたかもしれませんね。ただ、レネ・サンティアゴが、昔日の技巧派チャンピオンたち...ペドロサやサパタ、ローマンのような「あしらい系」の名王者ほど、手の届かないレベルだとは到底思えませんしたが。
岩田の試合後のコメントは、巧いけど怖さのない相手と組まれて、言えば恵まれている、と傍から見ている者にとって、二重にがっかりなものです。思えばゴンサレス戦の後も同じようなこと言ってたような...。
戴冠試合に関しては、非常に厳しい評をさる識者から聞かされもしました。私は「そこまで言わんでも」と思いましたが...まあ、そういうこと、だったのかもしれないなあ、と、今回の陥落を見て、納得させられたところもありますね。
>月庵さん
実況解説はチェックしていないんですが...現地では、勝ち負けどうというより、試合内容に、そして両選手に対して均等に「がっかり」していました。この後、気を入れて見ないかん(いかん、というのもおかしな話ですが)試合がふたつもあるのに...という。まあ、お察しください(笑)。
岩田はアマチュア歴もありますが、格闘技がそもそもの「入り」だったことや、高校から大学進学の際のあれこれもあって、独特の個性を持つ人、と見られているそうです。それは我々ファンにとり与り知らぬことですし、彼が魅力的で強いボクサーであれば関係ないことですが、普通とは違う感覚でボクシングを捉えている部分はありそうですね。問題はそれが若干、現実味に欠けるところだ、と言えるでしょう。
しかし、私、そんなきついこと書きましたっけ(笑)。まあ、確かにそんなように思ってもいますが。さらにきつく言えば仰るとおりで、一旦、彼の役目、役割は終わり、次があるとしても何らかの「リセット」を経た後、となるのでしょうね。記事では転級について書きましたが、何しろ彼の長所たる強打と飛び込み打ちが、それ以外の布石、組み立てなどの欠如により、逆に短所に転じてしまっている現状を、何らかの形で変えないことには始まらないと思います。それが転級によるコンディション向上なのか(実際、今回の試合は相手もまずまず巧かったですが、彼自身の不調、不出来にも見えました)、指導方針の転換(を、本人が受け容れる)なのか、傍目に断じることなど出来ませんが...。
>モノクマさん
その採点に関する認識は、ゴンサレス戦の後も、ほぼ同じ事を言っていたような憶えアリです。強打を決めて倒す自分の強みを誇るのは良いんですが。同じく(大まかに括りますが)強打者として知られた浜田剛史は、相手に足を使われて苦戦した際、相手の戦法について「勝つために色んな事をやってくるのは当然」と言い切りました。対して、まるで自分の都合の良いように相手が打ち合ってくれない、と嘆くような岩田のコメントは、あまりに子供じみていますね。
坪井については同感で、この相手ではね、という。構えや足の使い方が、何か昭和の古い映画に出てくるボクサーみたいやなあ、と思いましたが。
確かにロマチェンコやリゴンドーは、金メダリストや世界優勝者の中でも、さらに一段上二段上、雲の上、みたいな人でしたからね。それと一緒くたは確かにまずいですね。問題は今後です。佐野友樹、田口良一を下して世界へ行った井上尚弥108ポンドのような先行きを求めたい、と思っていますが、はてさて、どうなりますか。