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さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

三田の激闘王襲名か 加納陸、井上夕雅を振り切る

2022-09-04 09:59:34 | 関西ボクシング



ということで、教えて貰わねばライブを見逃していたであろう昨日の加納陸、井上夕雅戦感想などを簡単に。
11月1日の件は、また明日以降においおい...。



共にフライ級に上げて来た者同士。
加納陸はフライ級に上げて2戦目で、WBOアジアパシフィックタイトルマッチ出場。
地方のジムにあって、上位まで上がっていたランキングが下がることも覚悟しての転級は、重く難しい決断だったと思います。
この辺は、選手のコンディションをもろもろの事情よりも優先したと見える、丸元大成会長の決断を支持したいところです。
また、転級2戦目で、WBOランキング上昇を見込める試合を組んだ「手腕」も。

対する井上夕雅は真正ジムに移籍して3戦目、でしたか。
こちらも新人王はミニマム級でしたが、フライ級に上げて来ました。

両者ともに、これまでの印象よりもコンディションが良さそうで、特に加納の方は、全体的に据わりが良くなって、パンチも以前より「乗っている」ように。
とはいえ井上の方もそれは同じく、若いボクサーが無理な減量をせずに済んだ好調が、互いに見える序盤でした。



初回、加納が上下に左ストレート散らす。2回も上下のコンビ、4、5発と続く。井上は右ストレートを返す。
3回、加納の右フック、ワンツー好打も、井上の右ヒット、左アッパーのトリプルから右で追う。右ヒットの効果で井上、か。

4回、加納が挽回に出る。右アッパーから左ショート。ワンツー、手数で抑える。井上も右を上下に決める。加納。
5回、加納の右フックと右回りの足捌きが効果的。左打った後も同じように回れたらなお良いのだが。加納。

6回、加納は右回りの良さを自覚していない?正対して左を当てたいか。
この回前半は左のヒットで優勢だったが、打ち合いから井上が右ボディアッパーで盛り返し、続いて右ヒット重ねる。右の効果と精度で井上。
7回、井上が右の上下、左フックも返る。井上の右で加納のけぞる。右アッパーも入る。クリアに井上。

8回、加納は腹決めた感じで、正面からワンツー、攻めて出る。井上凌いで右上下。井上のボディ、加納の左フックで打ち合い、加納右フック、左でラッシュ。
手数、攻勢で加納が挽回。
9回、また井上ボディ、加納左の打ち合いから、加納が左ボディ、右フック返し、左アッパーなどでラッシュ。
ただし、芯食ったヒットはそんなにないか。井上も疲れながらなんとか凌ぐ。見ている、というほどの余裕ではない。加納。
10回、打ち合い続く。井上のボディ連打も出るが、左当てた加納か。

11回、井上が打ち合いで打ち勝つ。ボディブローの効果か、加納失速。井上が左に回り込んで右ボディアッパー。
左ボディなど決め、打ち返しに来る加納に右カウンターも二度。この回、ほぼワンサイドに打ちまくる。もう一押しでストップも?と思うほど。井上。
この流れで井上押し切りたかったが、最終回、加納のグローブのテープ剥がれで少し時間が空き、再開後、加納が持ち直す。
両者疲れてフォームも少し乱れる中、加納が手数でまとめた感じのラウンド。



判定は7対5が二者、8対4が一者で、3-0加納。
内容的には大接戦、というものでしたが、小差で加納は納得。試合運びにおいて、経験の差が少し出た印象でした。


加納はこれまで見たどの試合よりも、パンチの乗りや切れ、据わりの良さが見えた試合でしたが、サウスポーの「得なとこ」をあまり生かせぬまま闘うなあ、という印象は変わらず。
中盤、右回りと右フックを軸に、たまに左差し込んで、また右へ...という回りのときは、当てる率も外せる率も高かったんですが、正面に立って左打ち込みたいと見え、井上の右ボディブローに苦しみました。

井上夕雅は初の経験である11回にベストラウンドを作るなど、健闘でした。
最終回、時間が空いた後を上手いこと抑えられたのは痛恨でしたが、評価はむしろ上がった試合でしょう。
対サウスポー戦としても、右中心にしっかり攻めていましたし。得意、というわけではないのかもしれませんが、かなり良い出来でした。


「ボクサー年齢」という言い方をすれば、24歳にしてプロデビューから10年目に入った加納を「若い」と言えるか、ちょっと微妙な気もしますが、年齢的には若く、そして階級を上げてコンディションも良い者同士が、長所も短所も見せつつ、真っ向からぶつかった12ラウンズでした。
なかなかの激戦だったと思います。両者に拍手したいと思います。


しかし加納陸、最近の試合ぶりはまさに「激闘王」という感じです。
その風貌とは裏腹に、内面に秘めたその激しさ、覚悟のようなものには、どうしても目を引かれてしまいます。
良し悪しあるというか、心配な気持ちでもあるんですが。




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2 コメント

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Unknown (キュウ)
2022-09-05 00:08:55
こちらも試合忘れてたので、話題に挙げてくれて助かりました。
おかげで木村×中川戦に続き、良い打ち合いが見れました。

加納は階級を上げたからか、バランスが良くなり、打たれ脆さも解消された印象。
ただ正面に立つからか、危ないタイミングでパンチもらうのは変わりませんが。
東洋レベルなら勝てても世界とはだいぶ距離がありそうで、立ち位置的にも激闘しがちなとこも小松則幸っぽいなぁ、と。
返信する
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2022-09-05 09:50:37
>キュウさん

なるほど、私の友人の親切が、私のみならず他の方の助けにもなったということですね(笑)。
加納の立ち位置はなるほど、小松則幸的なものがあるかもしれませんね。
加納はすでにWBO4位と専門誌にはありますが、記事によると5位としてあるところもあり。
いずれにせよ、上位であることは確かで、それがアジアパシフィック獲得で上がることはあっても、下がりはしませんから、中谷潤人転級が事実なら、空位決定戦出場、或いは新王者への挑戦が近いのかもしれませんね。小松と違うのは、挑む先が最強王者ポンサクレックのような相手ではない、という点ですが。はてさて。
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